12月4日(1) かにカニはまかぜ キハ181お名残り乗車 その1

昨日(12月4日)、東北では新幹線が新青森まで延伸され、だけど悪天候で早速ダイヤ混乱・乗客を乗せずに出発、と世間の注目を浴びている中、私はキハ181系に最後のお別れということで、9051D「かにカニはまかぜ号」を大阪→浜坂の全区間乗車してきました。
かにカニの臨時特急運用も、12月下旬をもって新車のキハ189系に変更されますので、今のうちに、との思いで乗車してきました。


まだ陽が上がらず暗い5時半に起床、地元の近鉄を6時半に乗車します。
土曜日のこの時間は、まだ家で眠っていますのでとても眠いです。
あべの橋まで近鉄電車の中でウトウトとまどろみます。
天王寺環状線に乗ろうとすると、ちょうと223系快速大阪方面行きがありました。
これも座席でまどろみます。
大阪に着いて乗り換え。


この先、約3時間半の長丁場ですから、大阪駅内のコンビニで食糧を買い込みます。
3番線に上がるとすでに入線済みでした。
キハ82の流れを組む、いかつくもだけど端正な、あのお顔が見えます。
先頭と最後尾にはたくさんの鉄道好きな方が集まって撮影をされています。

編成は…
(1号車)キハ181-49 (2)キハ180-49 (3)キハ180-41 (4)キハ180-79 (5)キハ180-45 (6)キハ181-47
大阪発車時点では1号車が先頭、姫路で方向転換し、6号車が先頭になります。
私の指定された車両座席は5号車12番D、大阪→姫路では進行方向左側、姫路→浜坂は右側になります。
明石大橋日本海が両方とも車窓から楽しめる側を選びました。

7時48分、大阪発車。
車内をざっと見ますと、大阪からの乗車は少ないようです。
はっきりいいますとガラガラでした。
大阪の場合は、定期列車の北近畿1号(福知山線経由)がこの後8時12分に発車、しかも城崎へは先着しますから、和田山以遠に行く人はこの列車をわざわざ選ばなくてもいいのでしょう。
「6両もあったら長いんじゃないか、臨時だし4両ぐらいでいいのじゃないのか?」と思っていたのですが、それは私の理解不足でした。(この後の停車駅で続々と乗車が…)

エンジンがグォーっと高鳴って、一呼吸置いてからじわっと動き出します。
国鉄時代のディーゼルカーに共通した発車ですね。
JR時代に造られた車両はエンジン音が高鳴ると同時に動きだします。
国鉄型が時代遅れと言ってしまえばそれまでなのですが、この動き出す瞬間は味がありますね。
発車して大阪駅西方の右カーブを曲がりだす付近(下の画像辺り)で、ディーゼル特急のオルゴールが鳴り(途中で音が途切れてメロディの最後まで流れない。何度がディーゼル特急に乗車しているが、最後まで流れたためしがない)、車内放送がさっそくはじまります。

しかし途中で長い淀川の鉄橋があり、桁からの騒音が高くなりますので一旦中断。
橋を渡って塚本にさしかかった辺りで再開しました。
「停まります駅と到着時刻は、三ノ宮8時12分、神戸8時15分、明石8時29分、加古川8時41分…」
14ある停車駅と到着時刻をすべて案内されます。
車内販売がない旨も放送ありました。
大阪から乗車しているグループ客はさっそくビールを飲んでいます。
こういう行楽列車は車内販売を実施すれば売れるだろうに、臨時列車にまでは車内販売の人員が手当てできないのでしょうか。


実はワタクシ、これまでキハ181播但線内や山陰線内では乗車したことがありますが、東海道山陽本線での乗車は初めてでした。
この区間キハ181が、国鉄時代に造られたディーゼル特急としては破格の、性能一杯の時速120キロで走行する区間なのです。
これを楽しみにしていたのでもあります。
ところが、120キロのシャカリキ感とでもいいましょうか、どうにもスピード感に乏しい。
運転台に入って速度計を見る訳にはいきませんので、簡易的な速度算出法として、30秒ないし1分間に架線柱が後ろに過ぎ去っていく本数を数えます。(架線柱は50M間隔で建植。但し、この手法は電化区間のみしか使えない)
すると、100キロ〜110キロ程度での走行のようです。
その理由として、かにカニはまかぜ号の3〜4分前に新快速が走っているからでしょう。
新快速は130キロ走行ですが、停車駅が3駅多い。
カーブ区間で車窓の向こうに見えた信号機が減速現示だったところもありました。
きっと、かにカニはまかぜが120キロで走行すると追いつくのでしょう。
もしかすると、瞬間的には120キロに達していたかもしれませんが、120キロで巡航ではなさそうな様子でした。
大阪→姫路の運転時刻が1時間6分。
この区間だけの表定速度は時速79.9キロ。
他の定期はまかぜでも1時間0分から1時間8分ぐらいですから、決して遅い部類ではないのでしょうね。
それに、時速100キロ超で走っていてもエンジンの騒音があまりやかましくなかったのです。
さすがは国鉄特急車です。防音対策がしっかりしています。
東海道山陽線内は保線もバッチリで揺れも少なかったように思います。
JRが開発した近年のディーゼル特急車は、高速性能は確かに素晴らしいのですが、エンジン音がうるさいのですよね。
防音対策はなされているのだろうとは思いますが、エンジンの高性能化に伴い、対策以上の音が発生しているのでしょうか。


そんな思いを抱きながら列車は三ノ宮・神戸と停車し、少しづつ乗車があります。
明石大橋の下をくぐって明石、加古川にも停車です。

定期のはまかぜ加古川には停車しませんが、冬季のカニシーズンだけわざわざ停車させているところを見ると、それなりにニーズがあるのでしょうか。(同様の事例はスーパーはくとの相生停車。赤穂線沿線の客をターゲットにしているのでしょう。)
やはり、播但線経由の特急は阪神間・播磨エリアの乗客を拾う事で成り立っているのですね。
山陽区間の最西端、姫路に到着です。
結構な人数が乗り込んできました。
この時点で6〜7割の乗車率といった感じでしょうか。
その大半はカニ目当ての団体や夫婦や家族連れなど。
一部に、カニとは関係のなさそうな出張サラリーマンやプライベートの女性などもいます。
器用にこんな臨時をよく選んだものだと不思議なところです。
それから、鉄分過多と思しき方々も少々…。

(以下、その2に続く)