丹後半島方面へ(北近畿タンゴ鉄道、等)

3月19日、またもや鉄分吸収で外出してきました。
今回は、同行者がいまして、彼の希望により北近畿タンゴ鉄道を訪問する事に。

(↑2003年5月2日のKTR由良川鉄橋)


早暁の6時ちょっと前に最寄駅を出発する電車でスタート。
危うく寝坊しかけてヒヤヒヤものでした(汗)
天王寺環状線に乗え換て京橋へ。
京阪沿線の友人とは京橋で合流です。
京橋から大阪へは221系で移動。
関西本線への直通かと思いきや、環状線の周回電車。
朝ラッシュだというのに驚き。
もう1周してから関西本線へ直通するのでしょうか。


大阪駅で大阪始発の新快速姫路行きに乗換。
多くの通勤客が待っていました。
座る事はままならず、尼崎、芦屋と多数の乗車あり。結局混雑は明石ぐらいまで続き、姫路まで座ることままならず。
その代わりに前望を楽しみましたが。
前望していると、三宮から、上り電車がいずれも団子運転となっていました。
駅の手前で停まっていたり、ノロノロ運転だったり。
前望している限りでは魚住あたりまで続いていました。
どうやら、三宮で「お客様救護」があったらしく、その影響で10−15分ほど乱れていたそうな。
我が新快速は下りなので影響なく姫路に着。
姫路の乗換えでは、定番イベントである駅そば(私は天ぷら、同行者はきつね)を食べて、播但線ホームへ移動。
特別に美味いものでもないのだけど、姫路を通る時には何故だか欠かす事ができないB級グルメなんだよなぁ(笑)


姫路で深紅の103系に乗車。

姫路へのラッシュとは逆方向なので余裕で着席。
京口、砥堀、香呂、鶴居で普通と、仁豊野で特急はまかぜ2号と交換。
ラッシュ時間帯だけあって交換が多い。

寺前で電化区間は終了となるので、103系からキハ41系に乗換え。
種車であるキハ47の乗降扉の位置をそのままにワンマン運転改造、料金箱を設置しているために、乗降扉と運転台の間にあるデッドスペースがいかにも勿体ない。
乗務員も運賃受取のために運転席3−4歩動かねばならず、いかにも無駄な動きな様子。
全国JRのキハ47や105系113系115系のワンマン化改造に共通した話であるが、扉の位置をなぜ移設しないのかとつくづく思います。
そんなやっつけ改造なキハ41に色々と思いをはせながらも、ボックスシートを確保できました。
着席するや否や、眠たくなってきて完全に居眠りしてしまうと、もう和田山到着寸前でした。
同行者の話によると、生野越えの辺りでは、3月下旬でいよいよ春近しだと言うのに雪が降っていたとか・・・。見たかったな。


和田山からは城崎温泉行き429Mに乗換。
現れた車両は223系。
山陰本線のこのエリアといえば、やっつけ改造の横綱こと113系3800番台の強烈なイメージが頭から離れない私。

そこに、「シュッとした」*1車両が来たものだから、分かっている事なんだけど、なぜか面くらってしまいました。
113系3800番台をはじめとする山陰本線のやっつけ改造車両の事は、ココを参照。)


シュッとした車両では、2両編成の最前部の補助椅子に座りながら前望を楽しみました。
八鹿−江原間に行き違い用の宿南信号場があるのですが、前望していると、1線スルー構造の待避線側のレールの踏面がうっすら茶色に。しかし完全に赤茶色に錆びている訳ではありません。
山陰本線でも福知山−豊岡間は、単線区間にしては列車本数が多く、宿南信号場も重要な役割を果たしているはずで、毎日列車交換があれば、レールは銀色に光っているはず。
折しも、3月17日にダイヤ改正が実施なので、もしかすると、ダイヤ改正で当信号場を使用しなくても済むようになったのかもしれなません。なので、錆びはじめてきた可能性も。
近年、JR西日本では使用状況の悪い交換設備を使用停止や廃止の傾向があるために*2、当地もその餌食になった可能性があります。
信号場マニア(笑)な私としては由々しき問題で、なんだか心配で夜も眠れません。
(・・・と思っていたところ、時刻表をよく調べてみると、2012年3月改正後においても当地での交換がありました。なので、上の通り抹消線で消してあります。
レールの踏面は雨が降るとすぐに多少なりとも錆が出てくるようですが、錆が出たあと、この時点まで列車がレールを踏んでいなかったのでしょう。)


豊岡駅に到着。

KTRへ乗換えですが、次の列車まで30分弱の時間があるために、改札口へ行こうとして驚きました。
駅本屋は上り列車用ホームに面した地上(線路の東側)にあったはずなのですが、これが橋上駅舎に作りかえられていました。
駅前ロータリーに面するように建っていた駅舎の跡地にはバスの待合所?が。


新建築の1階には、駅弁業者「たで川」の店舗が入居しているらしい一画があったものの、「廃業」の張り紙もありました。どうやら破産したようです。
城崎や豊岡での定番駅弁である「かに寿司」が有名だったのですが…。
駅弁受難の時代で寂しい限りですね。

(↑2007年3月に購入し賞味した「かにずし」)


これからKTRです。
KTRの窓口で1日フリーきっぷ(1200円)を購入。
かつて、青春18きっぷ所持者に限り500円ぐらいの価格で普通列車専用1日乗車券を発売していたはずなのですが、今回は発売されていませんでした。
売らなければ収入がないとはいえ、あまりの安売りぶりに心配を感じたのですが、今回販売されていなかったところを見ると、やはり問題だったのでしょうね。

2両で到着した列車の後ろ1両が切り離される作業を見てから、青色車体に転クロシート装備車に乗車。
またもや最前部に陣取りました。
さて車内は、平日(といっても連休の谷間)の昼間なので、もっと空いているかと思ったのですが、意外と乗車があり、30名ぐらいが乗車していた様子。
やはりカニのシーズンだから?
11時46分、豊岡駅を出発。
出発するやいなや、来たへ向かう山陰本線から分かれて、大きく右カーブの上で東進します。
豊岡から但馬三江までのひと駅と県境までの7〜8kmだけが兵庫県区間*3
赤字で苦しんでいるKTRへの支援で、兵庫県補助金を出し渋っている*4理由はこれが原因でしょうか。
久美浜→丹後神野にかけては久美浜湾がチラリチラリと見えます。

海岸に近い線路では、ところどころに、天候など自然条件が悪化した際の要注意箇所を示す「黒地に黄色でSの標識」*5が設置されており、その下に「津波」と記されていました。
昨年の東日本大震災での津波被害を教訓に、KTRでも新たに設置したものと思います。

丹後神野では、交換の特急たんごリレー81号が10分遅れで通過。
理由がわからないのですが、まさか朝の三宮での東海道線上りの遅延がこんなところにまで波及しているのかな?
ここを過ぎると丹後半島の付け根を横断するために内陸へと入っていきます。
野村克也氏の出身地峰山を過ぎ、続いて加悦鉄道の起点であった野田川を過ぎます。

約9分遅れで13時07分頃、天橋立に到着。


天橋立といえば、駅前に「知恵の湯」という温泉があるのですが、「準備中」の札が掛かっていて入浴できませんでした。
平日だからかな?
入浴かなわず、せっかくの天橋立なので、狭い水路に架かった橋を渡って宮津湾と阿蘇海を隔てるように海に突き出た砂洲に少しだけ足を踏み入れました。


・・・が、冬型の天気で日差しがなく風もあり、寒いのなんの。
結局あまり動きまわらず、駅に戻りました。


新型287系京都行き特急はしだての出発を見送ってから、天橋立14時05分発の2234D西舞鶴行き「タンゴ悠々4号」に乗車。

愛称が付されているもののKTR700型の普通列車
次の栗田駅で、大学生っぽい男性4人連れが下車。
どうやら、天橋立に行くつもりが反対方向への列車に間違って乗車した様子。
運転士さんから、運賃は取りませんから反対側のホームで列車を待って下さいと言われていました。
行き先をよく確かめてから乗車しなきゃいかんだろ、と思う反面、こんな寒い日に駅のホームで次列車を待たされる彼らが気の毒にも思えます。
さて宮津を出て早々、進行方向左手に宮津湾が見えてきます。

特に栗田→丹後由良間では、高みから海を見下ろせるような位置に線路が敷設されており、特に眺望のよいポイントでは車内放送で案内テープを流しながら徐行運転をしてくれるのです。
実は数年前の夏にもタンゴ悠々号に乗車した事があったのですが、この時は夏休みだけあってもっと車内は混雑しており、眺望ポイントにさしかかると車内に歓声が上がっていました。
これは良い試みだと思いますので、今後もぜひ継続されたらよいのではないかと思います。
区間の丹後由良→丹後神崎では、由良川の河口を渡る由良川鉄橋があります。

鉄道風景の撮影地としてとても有名な鉄橋です。*6
長さ552Mもある鉄橋の上も徐行運転でした。

(↑2003年5月2日の由良川鉄橋)


この後、由良川右岸を南下していき、由良川舞鶴湾の間にある峰を越えると間もなく舞鶴へ。
西舞鶴駅直前には車庫があり、特急車、一般車、貨車など雑多な車両を見ながら14時49分、西舞鶴に到着。
車庫には「天橋立世界遺産に」とのスローガンが記された車両も停車していましたが、今後の行方はさて如何に?


ここでJR舞鶴線に乗換えという手もありますが、KTR宮福線を乗り残しているので折返します。
同じ車両がそのまま折返すのかと思いきや、車両が取りかえられていました。
車内に入ると、何とロングシートでした。
KTRにロングシート車もあるのですね。
しかしながら、考えてみれば、これから高校の下校の時間帯〜勤め人の退勤の時間帯です。
ロングシートのほうが使いやすそうなので理に叶っているのかもしれません。

15時15分、西舞鶴を発車。
用務客、地元の高齢者、我々のような観光客など色々な客層が20名ほど乗り合わせて出発しました。
途中、中学生か高校生が乗りこんできましたが、わずか7〜8名ほど。
もっと乗車があるのかと思っていたので拍子抜けでした。
この列車では眺望良好箇所で徐行することもなく走り抜け、15時46分宮津で下車。
333Dは、宮津でそこそこの乗車があり、座席はほぼ埋まり、多少の立客もある状況で網野へ向けて出発していきました。一応はロングシートの本領発揮でしょうか。


宮津で福知山行き122Dに乗換えですが、車両は宮福線用のMF100型ではなく、宮津線用のKTR800型でした。

(↑大江山悠々号のヘッドマークが装着されていますが、撮影直後に取り外されました。)
16時07分宮津を出発。
宮福線は1988年の開通と新しく、軌道の状況はさきほどまで乗車していた宮津線*7とは全く様相が異なっています。
重軌条化の上、全線立体交差化され、後年の直流電化も相まって、まことに立派な線路でした。
その割には宮津〜大江間は、大江山に挑む地形の関係もあるからか、300〜400Rのカーブがところどころにあり65〜75km/h速度制限区間があることは意外でした。
宮津を出発した我が列車は、酒呑童子伝説で有名な大江山に向けてじりじりと登坂するために速度はさほど上がりません。
片勾配の普甲トンネル(3215M)を抜けるとサミットらしく、ここを過ぎると列車のエンジン音が軽くなりました。
宮津から辛皮にかけて、鉄道の敵である京都縦貫自動車道と並行しています。
この高架橋が宮福線の上を圧倒するように通されており、近年の高速道路無料化社会実験によりKTRをはじめ各地の公共交通機関が痛めつけられた事は記憶に新しいところ。
政権の人気取りで無料化を行なうのではなく、総合的な交通体系を考慮すべきであると高速道路の橋脚を見ながらつくづく思いました。
大江駅から由良川の左岸に当たり、川沿いに遡っていくと間もなく福知山。
線路は山陰本線と合流し、高架に上がるともう到着だと思っていたら、なぜか赤信号で止められました。
いぶかしく思っていたら、赤信号の下に設置されている斜め2灯の誘導信号機が点灯しました。
ジリジリと徐行のまま進行すると、宮福線の進路に停車している車両が見えました。
隣の線路は空いているのに、わざわざ車両のある側に入線するのだから、おそらくこの車両と連結した上で折り返すのだと思います。
その証拠に、ホーム上には高校生をはじめ、多数の乗客が待っていました。
定刻の17時01分より2分ほど遅れて福知山に到着。


福知山では2774M大阪行き丹波路快速が17時06分発で、乗換えの時間がタイトなので、猛ダッシュで駅の階段を昇降。
若くない体なので応えます(苦笑)
ホームに駆け上がると、223系の銀色の車体が停まっていましたのでこれに乗り込み、何とか座席を確保できました。

17時06分定刻に出発。
福知山線では、しばしば113系117系の列車で往来しましたが、223系は初めてです。
上述の山陰本線での223系と同様に、当路線でも世代交代が進みつつある事を実感。
谷川〜下滝〜丹波大山間では篠山川の渓谷を愛でながら南下。
ここも撮影ポイントとして有名な場所ですね。

丹波大山では後続の特急こうのとり23号に追い越されました。
我が列車は新鋭223系に対し、特急は国鉄色の古豪183系。
いつまで183系が健在なのか分かりませんが、そう長くないものと思います。
篠山口でかなり多くの乗車があり、この付近でついに日が暮れました。
もう景色は楽しめません。
三田では神戸電鉄の車両が見え、ついに京阪神に戻ってきた事を実感。
三田の次の道場から宝塚にかけ、武庫川沿いの非電化単線の線路が、複線電化の際に付け替えられ、車窓から渓谷美が失われた区間です。
乗り鉄派の私からすれば車窓を楽しみたいところなれど、鉄道事業者からすればこのような区間は輸送力が小さく災害にも弱い。
両者の利害が一致しない区間こそ、車窓が楽しいのですが、車窓よりも輸送力が勝った当区間はさながら地下鉄のごときモグラ路線となりました。
このモグラ路線の真上に大阪へのベッドタウン西宮名塩ニュータウン)があるのかと思うと不思議でなりません。
長大トンネルを抜けると、トンネルの手前では見られなかった大きな市街地や見え、宝塚に到着。
ここで、東西線経由の5522M快速同志社前行きに乗換え。
同行者の彼は京阪電車利用なので、京橋へダイレクトに行ける路線が良かろう、との事で乗換えました。*8
5522Mは宝塚から北新地まで空いたままでしたが、北新地で多数の乗車あり、その混雑のまま19時36分、京橋に到着。
京橋で軽く食事のあと、同行者と別れ、環状線近鉄南大阪線と乗り継ぎ帰宅しました。


【この日の行程】
最寄駅→638あべの橋
天王寺645→(1333レ)→659京橋703→(1335レ)→710大阪
大阪717→(3403M新快速)→822姫路843→(5617M)→936寺前947→(229D)→1037和田山1045→(429M)→1118豊岡
豊岡1146→(227D)→1258天橋立(実際には約10分延着)
天橋立1405→(2234Dタンゴ悠々4号)→1449西舞鶴1515→(333D)→1546宮津1607→(122D)→1701福知山
福知山1706→(2774M丹波路快速)→1851宝塚1855→(5522M快速)→1936京橋2049→(1564レ)→2103天王寺
あべの橋2110→最寄駅

*1:関西弁で失礼。意味は、調べてみて下さい。

*2:関西本線中在家信号場、山陰本線相谷信号場、同・滝山信号場、和歌山線大和二見駅など

*3:KTRは宮津線宮福線の合計で114km。

*4:とりあえずは支出したそうですが。

*5:正式名称は何と言うのでしょう?注意箇所終了の標識は白地に黒丸

*6:某人気アニメでも当該区間を走る列車のワンシーンがあり有名になりましたね。

*7:大正13年から昭和4年にかけて全通。

*8:だけど、大阪駅経由でもあまり所要時間が変わらない上に、東西線だと京橋駅で、京阪とは大きく離れたところにホームがあるので、良い選択ではなかったかもしれません。