12月4日(4) かにカニはまかぜ キハ181お名残り乗車 その4

(その3からの続き)

電化区間城崎温泉駅まで。
しかし、この先にも竹野、香住、浜坂など温泉地が点在します。
ここから先がまさしくはまかぜ号の真価が発揮される区間です。
城崎を発車すると、両岸にしだれ柳が植えられている事で有名な大谷川を短い橋梁で渡ります。

この一瞬をチラと見るだけでも城崎だなとの気分になりますね。
しかし城崎気分はここまで。
大谷川を渡ると短いトンネルに入ります。
ここから先がカーブだらけ、勾配だらけの区間になります。
と言いますのも、この先の九谷駅辺りまで、リアス式海岸のように入り組んだ海岸線となり、小さな岬の付け根をトンネルで抜け、海が近づくと集落があり、その中でもまとまった集落には駅がある繰り返しとなります。
そして、このような区間ですから実に車窓が良い。
日本海に突き出た険しい岩場の岬、そして岩場を洗う荒波。
実に絵になります。
そして、鉄道における絶景区間は、得てして景色の良さに反比例するように線形が悪い訳です。
この区間もその例に漏れず、線形はあまり良くありません。
なのでぐっと速度が落ちました。
時速60〜70キロ程度までしか出してなさそうな感じでしょうか。



竹野駅に停車。
168D普通列車と交換。
この普通は、かにカニはまかぜのために数分停車し待ち合わせをしています。
かにカニはまかぜが運転日でない日は待たずに発車をします。
竹野温泉や海水浴場が最寄です。もっともこの時期に、しかもこの日のような時化ではとても泳げませんが。
ここではあまり下車は多くなかったように思います。
竹野を出ますと次は佐津ですが、この両駅の間に相谷信号場があります。
旅客扱いはなく、行き違いのために設置されている場所です。
この相谷信号場にて不可解な事が起こりました。
相谷信号場の手前で速度が落ちましたので、さては行き違いかと思ったのですが、左側に見える副本線を見るとレールが錆びついており使用されていません。副本線の信号機も横に向けられ使用停止となっていました。
要するに、行き違いができない場所と化している訳です。
なのに、なぜか当所で運転停車をしてしまいました。
停車と言っても、ほんの10〜20秒でしたが。
行き違いができない場所で、かつ、旅客の乗降もない場所でなぜ停車をする必要があるのでしょうか。
場内信号機、出発信号機と言っても、交換ができないならば信号機は実質的に閉塞信号機な訳です。
そんな場所なら場内・出発とも進行現示にして通過させれば良いのです。
時刻表を見ると、他の列車は竹野〜佐津間を11分前後で走行しているのに、かにカニはまかぜは14分もかかっています。
おそらくこのムダな停車が所要時間を延ばしているのでしょう。
とにかく、不可解な停車でした。


佐津では驚いた事に40〜50人は下車したでしょうか。
駅舎のすぐそばにマイクロバスが数台停まっていました。
冬のかにシーズン以外は特急が通過するような小駅なのですが、冬季はさすがですね。
また、次の停車駅の香住でも約30人の下車でした。
カニさまさまです。


香住を出ますと、トンネルを抜け鎧駅を通過。

青春18きっぷの広告のロケ地にもなった駅です。
NHKの朝の連続ドラマ小説でもロケされました。
高台の駅から眼下に望む漁村。
いいロケーションです。
いつか途中下車してやろうと考えているのですが、まだ実行できていません。
鎧を通過後またトンネル。
そして、トンネルを抜けると視界が開けました。
新しくなった餘部橋梁です。
車窓から見ている分には新橋梁も旧橋梁も関係ないですね。
空中から日本海を見下ろすような感覚です。
ただ、橋桁を支える橋脚とワイヤーが、橋桁よりも高いところにあるので、一部で視界が遮られるようになりました。
これが少し残念ですね。

途中で、旧餘部鉄橋の一部が見えました。
保存する動きまあるようで、そのために解体せずに残してある部分のようですね。


余部駅の次の九谷で運転停車しました。
ここも、相谷信号場と同じく行き違い線の使用が停止され、実質的に交換不能棒線駅となっています。
なのに、なぜか停車です。もちろん客扱いはなし。
ほどなくして発車。
なぜこのような運転停車があるのでしょうか。謎は深まります。
次が終点の浜坂です。
例の最後まで鳴らないオルゴールが鳴り、浜坂到着の放送が始まりました。
浜坂着。
浜坂では前2駅のような大量下車はなく、ちらほら以上、そこそこ以下の下車でした。
かにカニはまかぜは、昨年までは香住までの運転で、浜坂への延長は今年からです。
餘部橋梁が付け替って、強風によるダイヤ混乱の可能性が低減されたことにより浜坂延長になったそうです。)
なので、知名度がまだ上がっていないのかも知れません。
大阪から浜坂までの所要時間は4時間19分。
3時間40分前後で運転の定期はまかぜよりも、かなり遅いダイヤです。
運転停車が多い上に長時間停車で足を引っ張っていたのですが、お名残り乗車の私としては余分に楽しめました。
また、引退するキハ181系としては、これほどの好利用率だと、まさに最後の花道を飾る事ができたのではないでしょうか。


(かにカニはまかぜはこれで終わりですが、12月4日の事はまだ続きます)