和歌山線・紀勢西線の117系引退と新車227系投入

前の書き込みでは105系の置き換えについて記しましたが、主役の105系以外にも、脇役で117系が活躍しており、これも227系に置き換えられることになりましたので、そのことも少々触れます。


117系和歌山線に投入されたのは2000年の春からでした。
そのときの所感は「まさか!?」でした。
新快速として、東海道本線山陽本線を全力疾走していた花形電車が、ローカル線の和歌山線に投入されたのですから。

(↑1996年8月京都駅。奈良行きの快速でしたが、当時はかろうじて早朝深夜に新快速運用が残っていました。)


そして、和歌山線を象徴するシーンがこちら。

(↑2003.04.26北宇智駅
当時はまだ存置していた北宇智駅スイッチバックでした。
20‰の勾配途中にある北宇智駅でしたが、1984年に貨物列車が全廃されてからは、勾配に強い電車しか走っておらず、もはやその存在意義を問われるような状態でしたが、そこはあまり注目されないローカル線の和歌山線
2007年に棒線化されるまで、スイッチバックは細々と残っていました。
なので、新快速用花形電車の117系がまさかスイッチバックを行きつ戻りつするなんて夢にも思いませんでした。
写真ではわかりにくいですが、なんと117系4両編成なのにワンマン運転を今もしています。
しかしながら、先頭車に運賃箱が設置される訳ではない。
車内で集札改札業務を行う人員が常務している訳でもない。
無人駅でも集札をしないので、その気になれば不正乗車も可能な状況でした。
運転は朝夕のみで、定期券旅客がその大半だから仮に定期を所持しない旅客から取りこぼしがあったとしても、ツーマン運転による人件費を考えると、ワンマン運転やむなしと判断したのでしょう。
かように問題をはらんだ和歌山線117系ワンマン運転でした。


その後、2002年より紀勢本線(和歌山〜御坊〜紀伊田辺)にも117系の運用範囲が拡大しました。

こちらは、和歌山線とは異なり、亜幹線クラスですが特急も走る「本線」ですから、和歌山線よりは職場としては適していたのではないでしょうか。
快適な転換クロスシートに座りながら青い太い平洋を眺めることができ、旅情を実感できるいい車両でした。
元々は新快速の花形運用に就いていましたが、その利便性から利用者が増え2扉では対応できなくなり福知山線奈良線などへ、さらには紀勢西線和歌山線へと都落ちし、それら路線でも2扉ゆえ使いにくく、また、最低運行単位が4両ですから輸送力が過剰で持て甘し、そしてついに寿命が尽きかけようとしています。

(↑紀伊由良駅で特急を待避)
117系は、岡山のサンライナーだけ花形運用がかろうじて残っていますが、全体でみると悲運の車両と言っても過言ではないような流転の人生(?)です。
車齢的にこのあと、さらに受け皿があるのか、それともいよいよ廃車なのか詳しいことはまだ分かりませんが、最後まで見守っていきたいと思います。