雪と闘う新戦力デビュー 新型ラッセル車キヤ143

JR西日本より新型除雪車の投入についてプレスリリースが発表されました。

(車両概要)
形式:キヤ143
投入線区:北陸本線など
投入数:2両
投入時期:平成26年2−3月


なんだか、形式名が北海道の50系客車改造DCの事業用車版みたいな名称ですが、JR西日本としてはキヤ141検測車の追番としてキヤ143なのですね。
会社が異なるから差支えないのでしょう。

(↑2011年1月2日札幌駅 キハ143−104)


北海道のキハ143はさておき・・・、
プレスリリースによると、投入線区が「北陸本線など」とありますが、北陸本線湖西線あたりをターゲットとしているのでしょうか。
「予定重量56t(運転整備時)」とありますが、ラッセルヘッド装着時の重量と予想します。
イメージ図を見る限り4軸なので、軸重が16トンとなり、機関車並みの重量です。
となると、線路が強くない支線区への入線は考慮してないのかもしれません。
北陸本線には、1961−1966年頃に製造されたDD15という古い除雪用機関車が今も活躍中とのこと。
DD15は軸重が15.5トンもあり、かなり重めです。
2013年4月現在、北陸本線にはDD15が富山に5両、福井に2両在籍していますので、これらの置き換えが予定されているのだと考えます。

(↑2005年1月12日柏崎駅 DE15−1537)
1970年前後に製造されたDE15は車齢がDD15よりやや若く、軸重が14トン程度と軽く支線区にも入線できるので、こちらはまだ活躍するのではないでしょうか。
また、かつての線路規格が簡易線であった大糸線には、DD16というさらに軽い除雪用機関車があり(軸重12トン)、これも用途の特殊性から、まだしばらくは生き長らえるのではないかと思います。

(↑2010年9月18日糸魚川駅 DD16−304)
ラッセルヘッドは、「単線除雪・複線除雪に切り換えることにより、単線・複線の両方に対応できる構造としています」とあります。
現在のDD15やDE15、DD16はラッセルヘッドを単線用、複線用のそれと使い分ける必要がありますので*1、今回デビューのキヤ143は単複両用のため、車両数の抑制、稼働率アップなど合理化が見込めるかと思います。

(↑2003年11月6日木次駅 DE15−2558)
ラッセルヘッドを取り外した際には、牽引車両としても使用可とありますね。
車両基地内の入換車両*2としての使用を想定しているのでしょうか。
最高速度は時速75キロとありますから、牽引しながらの本線運転はあまり可能性は高くなさそう。
そのような際にはEF81やEF65、DD51などに牽引してもらうのでしょう。


ATS−SW、P装備とありますので、線路閉鎖しなくても除雪可ということですね。
ATS−Pということは、湖西線北陸本線米原口にも入線するということですね。
北陸本線湖西線は列車回数が多いので、出来る限り線路閉鎖をしなくても除雪できる体制としたたいのでしょうね。
同様の事例としてJR北海道のDBR600などがあります。

(↑2005年3月2日留萌駅



それにしても・・・、平成26年2−3月にデビューとのことですから、もうどこかで姿を見せているかもしれません。

*1:DD16は単線用ラッセルヘッドのみ

*2:現在はクモヤ143、DE10など