大垣夜行の思い出 その3

(4)普通車の話題その2
◎S席について。
大垣夜行に使用されている165系には(165系に限らず急行形車両全般には)、二人がけ座席が室内の車端部に設置されていることを前記しました。

この二人掛け座席は、席番がここだけがS1、S2と付番されているんですよ。
四人がけのボックスシートは1A、1B、1C,1D、であり、付番の法則性が明らかに異なっています。

(↑1995.12.29中央西線165系)
大垣夜行の乗車時ではないんですが、友人と165系に乗車していた際に、「どうしてSなんだろう?」という話題になりました。
この二人がけ座席はデッキへの扉のすぐそばで、開閉の度に騒々しいし、かつその扉の幅が客室内の通路幅よりも若干広く、S席の座席幅を圧迫して窓側座席のひじ掛けも設置されていない。
指定席車として運用される場合、指定席料金という付加価値をつけてこのS席を売るには、4人がけボックス席よりはちょっと中途半端。
あえて利点を探すなら、向かい側の人と視線が交わらないことと、通路側の座席でもテーブルが使いやすい(ボックス席だと窓側にしかテーブルがないが、二人がけは席の前の壁にテーブルがあるのでどちら側からも使いやすい)、ぐらいでしょうか。
だったならば指定券を持たずに乗ってきた客や、二重発券時の際に対応するための、車掌持ちの調整用に使われる席ではないか?という推測をし、ならば″SPARE″のSじゃないか?との結論に至りました。
しかしながら、このことに触れた文献などを目にしたことはなく、いまだ真相はわかりません。


◎荷棚が網。
これも大垣夜行に限ったことではないのですか、165系の中でも若番車は荷棚がパイプでなくて、紐を編んで作られた網棚だったことがありました。

(↑1996.08.31新宮夜行165系車内)
同じ165系でもパイプの棚もありました(上のS席の話題の画像がパイプ棚。大垣夜行の思い出その2にアップしているキハ58の車内の画像もパイプ棚)。
同じ形式でも改良などで、製造年次が進むにつれて徐々にマイナーチェンジがなされていきますから、製造年次によって、網棚からパイプ棚に変更されていったのだろうと思います。
で、この網棚は当然ですが、重い物を乗せると垂れ下がります。
上りの大垣夜行でいちど目の当たりにしたことがあるのが、A4サイズ程度の面積に高さが20CM程度の段ボール箱
何かを詰め込んでいるようで、網棚がかなり垂れ下がっていました。
網が破れて落っこちてきやしないかヒヤヒヤしながら見ていたのですが、事なきを得て無事東京に到着したことを覚えています。(私の荷物じゃないですよ)
落下による事故と、破損した網の修理の問題もあるだろうから、頑丈なパイプ棚に変更されていったのでしょうね。