JR東海エリアの定期列車から117系が引退

JRグループから来年3月のダイヤ改正のプレスリリースが発表されました。
その中にJR東海117系が引退との発表もありました。
JR東海のプレスリリース(→このリンクの5ページ目、6番目の項目を参照)

(↑中部天竜にて。2009.10.12)
JR東海117系といえば、東海道本線で何度もお世話になりました。
今から十数年前、青春18きっぷで東京へ行ったり、その帰りで関西へ戻ってきたりするときに、名古屋エリアの快速で何度も乗車しました。
新快速には乗車したことはなかったですが*1、快速で浜松−米原を乗り通した事もありました。
豊橋や大垣で乗り換えなくてラッキーと思う反面、ずっと座っていてお尻が痛くなった思い出があります。
313系がデビューしだすと、名古屋エリアの快速運用から外されて、113系が受け持っていた浜松−豊橋や、大垣−米原の鈍行運用に転用されていきました。
米原で大阪からの新快速から名古屋方面へ乗り換えるときに、階段を昇降して隣のホームまで移動せねばならず、座席の確保ができるかどうか、ヤキモキしながら乗り換えた思い出もあります。
臨時大垣夜行9375M・9372Mに使用されていたJR東海165系が引退する時、117系は確か豊橋−名古屋−大垣の快速運用から外れていたように思うので、臨時大垣夜行117系を転用してくれたら!と痛切に感じていたのですが、JR東日本165系・169系が使用されるようになり、がっかりした記憶もあります。*2
さらに313系の増備が進むと、これらの運用にも新車が投入されて、さらに出番が少なくなりました。
最近では朝夕のラッシュ限定運用となって、熱田駅豊橋駅の側線で昼寝をするようになり、これが現在の姿ですね。

(↑大垣にて。2012.04.07)
いやはやしかし、まだまだ新しい部類だと思っていた117系が廃車って寂しい限り。
だけど、東海エリアの117系は1982年デビューでもう30年選手*3なんですね。
車内はいかにも昭和な木目調で現代のデザインからするとちょっと古臭いですが、落ち着いた雰囲気のいい車両です。
車両の中央部付近の座席に座ると、扉から遠いので乗降時のざわめきも少なくて、居心地が良い車両です。

(↑京都にて。1996年8月頃)
だけど、2扉で転クロという混雑に弱い構造が災いして、近年はJR東海でも西日本でも扱いづらい車両となっています。
だからと言って、新快速や快速にて花形運用に就いてときめいていた117系が、まさか和歌山線で走るだなんて誰が予想できたでしょうか。

(↑和歌山線北宇智にて。2003.04.26)
和歌山線運用はさておいて、プレスリリースの文章によると「定期列車から引退」とありますね。
ということは、団体用や波動用としては、まだしばらくは使用するつもりなのでしょうか。
「そよ風トレイン117」が結構好評らしいので、まだしばらくは使用されると思いますが、車齢が高くなりつつあるので、予断を許しませんね。
経営的には、稼働率の低い固定資産*4を持っていたら経営の足かせになるからか、近頃は車両を遊ばせない傾向になってきています。
また、駆動システムが抵抗制御で回生もできず、三相交流モーター全盛の現代からすると、保守面においても省力化の足かせとなるでしょう。
これらを鑑みますと、今後の117系の行く末は一体どうなることでしょうか。

(↑京都にて。奈良線快速に使用されていた頃。1996年8月頃)
新快速・快速といった花形運用から退いたとはいえ*5、名古屋以外では湖西線草津線紀勢西線和歌山線山陽本線岡山エリア、山陽本線山口エリアではいまだ現役ですから、今のうちに乗車体験しておかなきゃ、と思う次第です。

*1:311系がデビューした直後で新快速に優先的に投入されていました。編成数が少ないからか、当時の新快速は豊橋−大垣で運転されていて、浜松や米原まで顔を出す事はあまりなかったように思います。なので、117系はおのずと快速運用に就いていました。

*2:ボックスシートに4人とも座っている状況では足を伸ばせなくて一夜を明かすのはさすがにしんどかったです。117系0番台の座席の下には椅子の台座があるので、あまり足を伸ばせませんが、ボックスシートよりは広いので少しは楽かと思います。

*3:1982年製は0番台。短編成化用に製造された100番台・200番台のクハは1986年製でちょっと若い。

*4:さすがに減価償却は終わっていると思うので、バランスシート的にとても重荷という訳ではないと思いますが。

*5:岡山では快速サンライナーとして使われています。