近鉄20000系『楽』に乗車。その2 ダイヤの考察

八木より乗車しました楽ですが、臨時列車なので、もちろん市販の時刻表には掲載されていません。

上本町〜八木間は乗車していませんが、ツアーの案内書類には上本町と鶴橋、八木、名張志摩磯部の時刻が記載されていました。

上本町621〜鶴橋623〜大和八木654〜名張724〜志摩磯部933

これと、時刻表を見比べていますと、上本町〜名張はどんなスジなのか大体予想がつきましたが、名張以東の所要時間がいやに長い様子。
そんなわけで、実際の停車通過時刻を拾ってみたのが、下記の時刻です。
なお、下記の内、文字が赤色の上本町〜大和八木間は乗車していませんので推測です。
上本町621発 客扱い有
鶴橋623発 客扱い有
布施626頃通過 681レ普通高安行きを通過追越し河内国分639頃通過 3641レ普通榛原行きを通過追越し
大和八木654発 3547レ普通名張行きを追越し
榛原706-713 運転停車 106レ名阪乙特急名古屋行きを待避
名張725-727 客扱い有、待避なし 運転士交代(案内書類では724発だった)
青山町736通過 
東青山749-753 運転停車 605レ阪伊乙特急宇治山田行きを待避
中川807-808 運転停車 待避なし
松阪814通過
櫛田819-827 運転停車 6715レ名伊乙特急賢島行きを待避
宇治山田840-841 運転停車 運転士交代
五十鈴川844-850 回送特急車を待避
鳥羽858-859 運転停車のみ
白木910-924 6703レ阪伊乙特急賢島行きを待避
上之郷931通過 3980レ普通白塚行きと交換
志摩磯部933

これを、OUDIAに落とし込んで、ダイヤにしたのが下図。
(※私が乗車した「楽」はピンク色の太線で表示しています。)
(※「楽」の前後の下り列車のみ入力。志摩線は単線区間もあるので、上りも入力。)

このうち、興味深いのは、上本町〜八木は、列車密度が濃く先行する普通の追い抜きが3度あるのですが、八木以遠は、追い抜かれるばかりである点。
何しろ特急街道ですから、抜かれるのはあり得るのですが、先行列車の追い越しもあり得るだろうと思ったら、八木以東では全くなかったのが驚きでした。

特筆すべきは、伊勢中川〜志摩磯部間において、3783レ普通中川発賢島行きを追い越せないこと。
櫛田、五十鈴川、白木で、3783レの2〜3分後まで追い付いておきながら、それぞれの駅で長時間停車の上、後続の待避をしていました。
さらには、白木で後続6703レ特急の待避をせずにスジを引こうとすると、3783レ普通と6703レ特急の間にスジが挟まり、特に志摩磯部〜賢島の回送区間には極めてスジが挿入しにくそうで、それでも挿入するならば6703レの時刻を少し遅らせないと、おそらく設定は難しいかと思います。
なので、白木で長々と運転停車をしていたのでしょう。
ダイヤグラムを描いてみたら、上記のような事を読み取ることができました。


ではなぜ、こんなダイヤになったのか、特急が多く、一部に単線区間*1もあり、3783レの時刻を触ると、芋づる式に色々と波及する部分があるので、そのあおりを食らったダイヤ設定とならざるを得なかったのかもしれません。

これ以外にも、部外者には分からない点も色々あると思います。
回送列車のスジ、変電所からの給電能力、乗務員の手配、車庫での整備の手配、志摩磯部で接続する三重交通の貸切バスの手配、などなど。
だけど、これらが全てクリアできたからこそ今回の「楽」を使用の臨時列車が運転できた訳でしょう。

*1:中之郷〜船津、上之郷〜志摩磯部