トワイライトEXPの思い出(3)−2

トワイライトエクスプレスは、正午ちょうどに大阪駅を発車しました。

運転開始当初は「夢を売る豪華列車ゆえに12時00分出発」にこだわっており、私の乗車当時(2005年)も変わりなかったのですが、その後、12時03分発そして、2014年現在の11時50分発と、微妙にずれてきてしましました。
ダイヤ編成の都合もあるのだろうけど、少し残念に思います。

大阪駅では新快速3542Mと同時発車でしたが、加速のよい新快速は、あっさりと引き離していきました。


私が一夜を明かす寝床は5号車8号室シングルツイン。

中に入ってみますと…、はっきり言って狭いな、という第一印象でした。

しかし、船とは異なり、スペースに制約がある鉄道で、誰にも気兼ねなく自由に振る舞えるスペースが狭いながらもあるのですから、狭いなどと贅沢を言ってはいけないのかも知れません。
トワイライトEXPの思い出(2)にも記したように、就寝時以外のほとんどをロビーカーで過ごし、しかもあまりリラックスできなかったという苦い経験があります。ですから今回、決して広くないものの個室を取れたのは大変有り難い事でした。
さて、シングルツインは、狭いと感じる原因のひとつに、二人で使用時の補助ベッドがあるために圧迫感があるからでしょうか。サンライズ瀬戸・出雲のシングルツインのように補助ベッドを折りたたむ事ができるならば良いのでしょうが、残念ながらトワイライトEXPのそれは固定式で、動かそうにもびくともしません。唯一の利点は荷物置き場として使えるといった点でしょうか(本来の荷物置き場は個室の扉の上にありますが…)。

(窓のカーテンの上側に固定式の補助ベッドがあります)
また、シングルツインを一人使用でも狭いと感じるのですから、二人使用ならばさらに狭く感じるかもしれません。

(↑室内に備え付けのパンフレット)


トワイライトEXPには二人用B個室ツインもあります。

一夜の主がまだいない空室をのぞき見てみると、シングルツインとは比べ物にならないぐらいに広々としています。上段寝台の脇にも大きな窓があるので室内も明るく、シングルツインとは比べ物にならないぐらいの開放感を感じました。二人で乗車ならばツインがお勧めです。


ここまで、シングルツインは狭い、と感想を書き連ねましたが、なんと言っても一人用のB寝台な訳ですからそれはやむない事で、それでも「なは」や「あけぼの」のソロよりも明らかに広く、「サンライズ瀬戸・出雲のシングル」よりも天井の高さが高く、決して居心地が悪い訳ではありません。

(↑【参考】あけぼのB個室上段)
個室の中にはコンセントもありますので、携帯電話やデジカメの充電にも困りません。
そして、夜にさしかかって暗くなってきた時、一人用個室な訳ですから、誰にも気兼ねなく室内の明かりを消す事もできます。明かりを消したら、窓ガラスに自分の顔などが反射することなく、車窓を楽しむ事もできます。真っ暗かと思いきや、案外色々と見えるのです。
夜も更けて就寝時には、向かい合わせの座席の座面と背もたれをそれぞれ引き出してベッドを作り、それだけではベッドは完全にはフラットにはならないので、クッションを敷いて、その上に敷き蒲団・掛け蒲団を敷きます。それでもフラットではないようで、寝てみたら、腰・お尻の付近に若干の段差を感じるようです。それでも私はぐっすりと眠れました。
完全にフラットなベッドで寝たいならば、ハシゴで昇降するのが面倒ですが、上段の補助ベッドならばよいかもしれません。ただし、補助ベッドだと窓がないので車窓は全く楽しめませんが。なお、B個室ツインでも下段のベッドはシングルツインと同様の構造です。


車内を散策してみます。

↑これはBコンパートメント。
前回の乗車時にも利用しました。
4人区画の入り口に扉が設置されている他は、一般的な2段式開放B寝台と同構造でした。


興味深かった事が、スタッフ用の寝台が設置されていることでした。

↑これは9号車の最も札幌側(カニ24側)の一角。
Bコンパート用の扉と同じでしたが、「業務用」との表記。

↑そして室内は、なんと3段寝台。
業務用とは言え、21世紀に入ってまさか3段寝台を目にするとは思いませんでした。
種車は24系25型ですから、わざわざ3段に改造したのでしょうか?

↑8号車の最も札幌側は壁を前にした区画。
ここは2段寝台でした。
8号車は2段で区画定員2名、9号車は3段で区画定員6名。
たとえば年配スタッフが2段、年下が3段でしょうか。
それとも、女性スタッフが2段で、男性が3段なのか?
スタッフの間でどのように使い分けているのか、気になるところです。