さくらライナー リニューアル そしてデラックスシート!?

以前、さくらライナーが更新のために運用を離脱した旨を書きましたが、リニューアルが終了し、4月2日より運用に復活する旨のプレスリリースが近鉄より発表されました。



これまでの外装は、白のボディに窓回りがグレー、車体裾部に緑の濃淡のグラデーションだったものが、今後は白のボディに桜色のグラデーションに変更となる模様です。
さくらライナー」と銘打ちながらも、いまいち「桜」のイメージから程遠かったこれまでの外装から、桜に少しは近づいたかもしれません。
内装も、アコモデーションの改良、全車両禁煙化(喫煙スペース付き)など、おおむね想定の範囲内だったのですが、予想外だったのが、コレ。
「デラックス車両の導入」
驚きました。
アーバンライナーで導入されているものと同種の特別座席が、まさか南大阪線に導入されるとは!
名阪特急のアーバンライナーの場合、難波〜名古屋189.7km、乗車時間が2時間と長く、ビジネス客も乗車しているので、そのニーズもあると思います(実際に私も、ビジネス・プライベートの両方で何度も利用しました)。
いっぽう吉野特急の場合、全線通しで乗車する旅客は少なくて吉野に向けて流動は先細るタイプです。
運転区間の最長で、あべの〜吉野64.9km、乗車時間約75〜80分で、デラックスシートが必要なのでしょうか?
私は毎日の通勤で南大阪線を利用していますが(特急もたびたび利用しています)、当事者としての感想としては、「デラックスシートなんかいらんやろ」と感じました。
最大のニーズは、あべの〜尺土・高田市・橿原神宮前区間ですね。
この区間の乗車時間は30〜40分程度であり、わざわざ別料金を払ってまで特別車両に乗車する必要性は感じないところです。
南大阪線の特急は、急行と比較してもあまり速くありません。
特急料金というよりは、着席保障料金のような性格のために、500円の特急料金に、更に200円の特別車両料金を支払ってまでデラックスシートに乗りたくなるような気分にはあまりならないのではないでしょうか。
強いて言うなら、2席横並びだと狭く感じる体格の良い男性や、横に誰かが座られるのがどうしても嫌だという女性だったら、デラックスシートに座る動機になるかもしれませんが。
デラックスシートが繁盛するのは、4月の桜の季節ぐらいではないかと思います。


おそらく近鉄も、私が上述したような南大阪線特急利用者の気質はよく理解していると思います。
数年前に、南大阪線吉野線の40km以上の特急料金を870円から500円に値下げしてまで利用促進を図っているぐらいですしね。
しかしながら近年、近鉄(だけでなく関西の鉄道会社全て)の利用客数はジリ貧ですから、わざわざデラックスシートを導入してでも増収を狙っているのではないかと推測します。
近鉄の狙いは理解できないでもないのですが、デラックス車を導入するにしても、1両まるまるデラックス車にするのではなく、JRのグリーン車によく見られるように、半室で十分なのではないかなとも思いますが…。


リニューアル車が登場後のさくらライナーの利用動向は、はてさて如何に??