近鉄2016年ダイヤ変更 一般列車編(大阪線)

先日、特急編をアップしましたが、今度は一般列車編(大阪線)です。

1.平日朝上りの急行、準急、準急を増発。
(1)早朝の八木538発→上本町行き急行の増発
おそらく榛原発区間準急と八木で連絡するかと思いますので、早朝の大阪へのアクセスが改善されると思います。上本町610頃着でしょうか。
そのほか、朝ラッシュ時のピーク前後の快急3本を急行に変更。
(2)準急、区間準急の増発
 五位堂発準急、区準本数(AM6〜8時台上り)
  現ダイヤ14本(+普通1本)→新ダイヤ17本)
 高安発準急、区準本数(AM6〜8時台上り)
  現ダイヤ14本→新ダイヤ19本
 高安発普通本数(AM6〜8時台上り)
  現ダイヤ16本→新ダイヤ15本
現ダイヤの準急を区準に格下げし、普通を高安発にすることで、国分〜高安間の普通列車の運転を減らすのでしょう。
また、高安での増結列車が激減するとのこと(朝上りわずか3本へ)。
これらにより浮いた編成で、準急、区準の増発を実施するものと思います。
そのうちの一部は高安発になるかと思います。
準急、区間準急の増発の意図がいまいち読めないのですが、基本的には車両走行キロの抑制を狙っているのではないでしょうか。
また、区間準急が増えるようですが、大阪教育大前〜下田の利用者からすると、基本的には停車駅増、所要時間増なのでサービスダウンとなります。
これと引き換えに急行増発とリンクさせられればいいのですが、急行増は4本だけなの(このうち3本は快急からの変更)、概ねサービスダウンの方向性ですね。*1


2.平日朝下りの高安行き普通の増発
(1)上本町発普通本数(AM7〜8時台)
 現ダイヤ14本(高安6、国分4、五位堂1、榛原3)
 新ダイヤ15本(高安10、国分2、五位堂2、榛原1)
建前としては「沿線の通学ニーズを汲み取った」のでしょうか。
かなり混雑が激しい列車もあります。
なにしろマンモス校近畿大の最寄駅である長瀬駅がありますからね。
ラッシュ時の通学時間帯だけでも準急や区準を止めたらいいのに、と思いますが8両や10両のもあるからそういう訳にもいかないのでしょう。
それと、上記の上り準急区準の増発もリンクしているのだと思います。
高安行きの本数増(6本→10)、国分行きの減(4→2)がそれを物語っているかと思います。


3.平日朝下り急行増
(1)上本町618発名張行き準急を626発五十鈴川行き急行に変更
現ダイヤで、名張発744発五十鈴川行き急行がありますが、おそらくこれと合わせて一本の列車とするのだと思います。
ただ、現ダイヤでも上本町612発宇治山田行き急行がありますが、わずか14分間隔で似たような性格の列車を雁行させるのでしょうか?


4.上本町発平日20時台以降急行増発と区準との接続改善およびパターン化
(1)平日20時台以降に急行3本増発および快速急行を急行に変更。これで毎時4本運転。
(2)平日20時台以降の準急を区準に変更し(毎時4本)、国分で急行と接続。
(3)区準を運転している時間帯の普通をすべて高安行きに。(毎時4本)
上記も、乗客減にあわせて車両走行キロの抑制を狙っているのでしょうか。
ただ、快急→急行に変更しても、本数(毎時3本)をそのままにしていると、編成両数減(快急8両→急行6両)の分だけ混雑を助長しかねないので、毎時3本から4
本に増やしたのでしょう。(8両×3本/時→6両×4本/時なので、急行系の輸送力そのものは横ばい)
私は2年ほど前より毎日の通勤で大阪線を利用していますが、夜下りの快急に乗っていて「さほど混んでいないな」との実感がありました。
どうせなら、夕方ラッシュピーク時の快急も急行に格下げすればいいのに、と思いますが、河内国分駅のホームが6両分しかないため、8両運転する訳にいかないため快急で存置しているのでしょう。(三本松駅ホーム延伸は難しくなさそうですが)
国分駅のホーム延伸は、近鉄的にはやらなきゃいけないのでしょうが、上本町側は大和川堤防から降りるための下り坂、八木側は引上げ線がある上に建て込んでいます。
かなり思い切った大改造しないと対応できなさそうで、着手するには相当な思い切りが必要かと。
駅の前後に交通量の多い踏切でもあれば立体交差化と絡めることもできるのですがそんな踏切もないですしね。
当分はこのままでしょうか。

    
5.夜時間帯の上り快急9本のうち、8本を急行へ変更。
プレスリリースでは特に触れられていませんが、上記(4)の種別変更とも密接にリンクしているはずです。
おそらく下りで実施することを、上りでも実施するはずです。


6.五位堂行き最終の繰り下げ
(1)上本町発2345発五位堂行き準急の新設
繰り下げとはいまどき珍しいですね。
飲ん兵衛にはありがたい話ですね(笑)
(2)八木007発五位堂行きの増発
八木で留置している編成を五位堂車庫まで回送するのでしょうか。
飲みすぎて寝過ごした人が折り返すには都合が少しだけ良くなりますね(笑)


7.始発の繰り上げ
(1)河内国分520発上本町行き普通を区間準急に変更かつ515発に繰り上げ。
(2)このほかにも始発時刻を1〜3分繰り上げ。
始発時刻の繰り上げと上記6.の最終繰り下げを実施したら、コスト増にならないのでしょうか。


今回の変更は微小ではなく、上記の中でも、1. 2. 4.はかなり大がかりな変更内容です。
朝夕のラッシュ時のダイヤもメスが入れられたということは、通勤通学客が減少傾向にあることを如実に物語っていますね。
大阪線は足が長いにも関わらず、長い編成のまま上本町から榛原や名張まで運転されるので、短い編成での区間運転でこまめに対応している南大阪線と比べてもロスが大きいなぁと感じています。
大阪線でも、国分か五位堂で南大阪線の古市に相当するような役割を持たせられたらいいのではないか、と感じていますが(高安は上本町に近すぎるかな?)、インフラがそのようにはできていないのが現状です。*2
さらには、快急を急行に格下げしたくともそれを簡単には許さない国分駅ホーム6両長の問題。
そのような制約の中、インフラ部分には手を入れず、ダイヤ面で輸送力の調整を図ろうとしていることが見え隠れするダイヤ変更だなぁ、と感じました。

*1:区間準急を運転する時間帯は急行も運転して、河内国分駅で緩急接続をさせるべきなのですが、現行ダイヤでも朝ラッシュの終盤あたりでは区間準急と快急の運転となっており、その時間帯における大阪教育大〜下田の利用者は鶴橋・上本町まで区間準急しか利用できず、相当に不便をかこっていると思います。

*2:五位堂は可能かもしれませんが、古市のようにこまめな入替をすると平面交差が多発し、特急の運転の邪魔になりますね。あと、配線も改良しないと、今のままでは使いにくいかな?