京都へ その2 嵐電

その1の続きです。
阪急で嵐山まで来ました。
渡月橋を渡り、正式名称は京福電鉄、通称は嵐電(らんでん。以下、嵐電と記す)の嵐山駅へ移動。
実はワタクシ、関西に住んでおきながら、京都には何度も来ていながら、実は嵐電は未乗なのでした。
せっかくの機会ですから乗車する事にしました。

(↑渡月橋
渡月橋からまっすぐ続く道は両側に土産物店などが多く立ち並び、秋の京都を目当てに観光客が多数押し寄せている状況で混雑しており、思うように歩く事ができません。
ところが嵐電の嵐山駅が、通りの東側の土産物店の中、奥まったところに改札口があるので、ひと目見ただけではよく分かりません。
標識で嵐山駅の案内されてはいますものの、景色と混雑に紛れて実に目立たず分かりにくい状況でした。


使用した切符は「嵐電1日フリーきっぷ」。
500円で1日乗り放題。

これを嵐山駅の窓口で購入し入場します。

嵐山駅は頭端式3線の、小ぶりながらも立派なターミナル駅ですね。
そこに電車が頻発しています。
紫一色の車両や、ベージュと緑のツートンカラーの車両など、次々に出入りしてきます。
江ノ電カラーの電車も期待していたのですが、タイミングの問題か、それとも運用に就いていなかったのか、目にする事はできませんでした。
しかし、ゲゲゲの鬼太郎がラッピングされた電車がやってきました。
先頭運転台下に装着されたトレインマークには、その名も「化け電」と表記されていました。

到着する電車は、観光シーズンだけあって、全ての列車が2両連結だというのに、いずれもかなりの混雑。
また、日本語でない言葉も結構聞こえてきますので、外国人観光客も多いようです。


嵐山駅には足湯があります。

足湯に浸かるには150円が必要との事。
上諏訪駅のように正当な乗車券・入場券を持っていれば入湯料無料という訳ではなさそう。
私は体が冷えていませんので、足湯はとりあえずパス。


正午すぎ、「化け電」に乗車して移動します。

路面電車と言えども、ほとんどが自前の線路ですから、運行は実にスムーズ。
北野線との分岐駅である、難読駅名の帷子ノ辻駅で一旦下車。
ここで北野線と乗り換えました。

右カーブは嵐山本線四条大宮方面、左カーブは北野線北野白梅町方面。


北野線電車も2両連結なのに、結構混雑しています。
終点北野白梅町金閣寺へのアクセス駅である事と、北野線がほぼ単線*1で、運転本数も嵐山本線よりは少ないからでしょう。
しかし、単線ではあるものの、交換可能駅どうしの距離は短めです。
特に、龍安寺駅等持院駅の間など、わずか0.2kmしかありません。

この画像は龍安寺駅から等持院駅方面を見たものですが、等持院駅の分岐器が見えます。
これほどまでに交換駅が近接している事は珍しいのではないでしょうか。


北野白梅町駅に着きました。

3面2線の駅ホームの上には大きな屋根が架かっており、小ぶりな路面電車であっても、自前で立派なターミナルを保有したがる関西私鉄の一員であると自己主張しているような雰囲気ですね。

駅舎の壁(↑の画像の宝くじ売り場の上)には嵐電沿線の名所案内が描かれているところが、いかにも大観光地たる京都ですね。


ところでワタクシ、長年関西に住んでおきながら、これまで金閣寺*2に行った事がなかったのです。
せっかく北野白梅町駅まで来たのですから、ちょっと足を伸ばして金閣寺へ行ってみました。*3

個人的には、派手に輝く金色が成金趣味の如く感じていて、食わず嫌いだったところもあるのですが、実物を目にすると、やはり素晴らしいと言わざるを得ません。

紅葉も旬で、いい時期に見る事ができたと思います。


金閣時を堪能した後は、再び北野白梅町駅に戻り嵐電に乗車再開です。

北野白梅町帷子ノ辻ではレトロ調の車両モボ21形に乗車しました。
レトロ「調」であっても1994年製だそうですが。


帷子ノ辻駅嵐山本線四条大宮行きに乗換え。
これまたかなりの混雑。行楽シーズンの京都はどこも人でいっぱい。
何とかかろうじて前望はできるもののカメラで撮影するような余裕はありません。
しかし、併用軌道の様子などをうかがう事ができました。
併用軌道区間の中で特に山ノ内駅は、他の駅とは異なり、道路と軌道の間に、屋根やフェンスなどがない実に幅狭の安全地帯が設置されているだけ。
どこが「安全」なんだ、とツッコミたくなるぐらいで、いかにも路面電車という雰囲気の駅でした。


電車は終点四条大宮駅に到着。

この駅も嵐山駅や北野白梅町駅と同じく、関西私鉄ターミナル駅たる雰囲気が小ぶりながら醸し出されていました。

駅そのものはビルと同居で、ビルの1階が改札口となっています。


ここは、阪急大宮駅との乗換駅でもあります。
嵐電四条大宮、阪急は大宮。
ほぼ同じ位置にありながら、駅名が異なるあたりがいかにも関西テイスト。
嵐電は、いかにも京都らしく南北と東西の通りの名を合体させていて、分かりやすい駅名です。
阪急が四条通りの真下を通っている事を理解しているのは地元の人ぐらいで、京都の地理に不案内な観光客も多数押し寄せる事を考えると、四条大宮に改称してもいいんじゃないのかな、と思います。
もっとも、「四条大宮」だとしても通りの名を知らなければいけませんが。


嵐電の改札口を出ると交差点を挟んで反対側に阪急があります。

阪急は地下駅ですので、地上には入り口があるだけですが、京都線のかつての終着駅でもあったため、駅ビルはいくぶん時代がかったデザインの、いかにもターミナル駅らしい雰囲気です。

地下ホームも1931年開業だけあって、これまたレトロな雰囲気ですね。

(続)

*1:常盤−鳴滝間のみ複線

*2:正式には鹿苑寺舎利殿

*3:駅から徒歩約15分