湖東で鉄分補給その1 信楽高原鉄道

鉄分補給に行ってきました。
今回は未乗路線に乗車したのではありませんが、どうしてもやっつけたかった件がありました。


行程は…
自宅最寄駅−(和)高田−≪桜井線≫−奈良−≪関西線≫−柘植−≪草津線≫−貴生川−≪信楽高原鉄道≫−信楽−貴生川−≪近江鉄道を行ったり来たり≫−米原−≪東海道線≫−京都−≪奈良線≫−木津−≪関西線≫−王寺−≪和歌山線≫−自宅最寄駅


早朝、自宅最寄駅より乗車。
奈良駅へ行くのに王寺経由でも桜井経由でも同じ電車となるので久々に桜井線を選択。
乗車券は青春18きっぷなので、こういう時に使い勝手が良くて重宝。
高田で乗り換えた桜井線は201系。
本職は関西本線で、桜井線にはアルバイトに来ている運用なのでしょうが、何とも場違いな感じ。
日曜の朝の電車にしては意外と乗車があり(と言っても座席が埋まる程度)、桜井や天理でまとまった乗降あり。
巻向駅では、駅前の遺跡発掘現場を見てみたものの、もう雑草がはびこっていてとても重要な遺跡には見えません。


奈良にて、奈良発加茂行き(これも201系)に乗り換えて発車を待っていたところ、ハプニングが発生。
駅員があわただしく走り回っています。
放送を聞くと「運転士急病につき運転見合わせ中。代わりの運転士を手配中」との事。
救急車のサイレンの音も聞こえ、救急隊員3名が我が201系の先頭運転台付近に駆け付けました。

(↑運転席の周囲が慌ただしくなっています)

野次馬の私も救護活動の邪魔にならない程度に近寄って様子を伺っていましたところ、救急隊員が、運転室内でダウンしていたらしい運転士を担ぎ出してきて、介抱を始めました。
病名が何なのか分かりませんが、運転士は意識こそあるようですが青白い顔色でうつろな目をしていました。
様子が心配だったのですが、代わりの運転士の都合がついたようで、電車はおよそ13分遅れで発車。
こんなハプニングで電車が遅れたのは初めてでした。
(国際線の中で調子の悪い乗客を医師?が介抱しているのは見た事がありましたが。)


加茂でキハ120に乗換。
幸いにして遅れのこちらを待っていてくれました。
あまり乗客は多くなく、2両のキハ120の座席に余裕あり。
私もボックスシートを確保。
脚を前の座席に投げ出し、ボックスシートにおける定番の体勢をとったところ、睡魔に襲われ途中の記憶があったりなかったり。
柘植到着し草津線113系に乗換。
十数分の乗車で貴生川に到着。


貴生川から信楽高原鉄道に乗車。
びわこ京阪奈線フリーきっぷ(1000円)」を購入しようと思ったのですが、信楽高原鉄道は窓口がなければ職員もおらず、JRの券売機・窓口ですら乗車券が発売されていません。
乗車証明書発行機が改札外にあるだけ。
仕方ないので、近江鉄道の窓口で買い求めました。

それにしても、信楽から学研都市まで今更線路を作る事はあるのでしょうか。
また、近江鉄道信楽高原鉄道ともに大改良が必要でしょう。
どうせ「びわこ京阪奈線」なんて夢のまた夢…?


信楽高原鉄道は久々の乗車です。

前回は14年前に仕事の出張で乗車しました。
プライベートでの乗車は初めてになります。
運転台には通票キャリアが見え、革バッグの中には第2種(いわゆる「ヨンカク」)のタマが見えます。

当路線は非自動閉塞の一種であるのスタフ閉塞なのですが、かつては自動閉塞化されており、それが1991年の正面衝突事故により非自動閉塞に逆戻りしてしまった悲しい歴史があります。
事故の詳細は京都新聞の記事を参照。


1両単行のディーゼルカーは貴生川を出発後、峠越えのために長い勾配をジリジリと登っていきます。
峠を越えてしばらくすると小野谷信号場を通過。

事故発生により列車交換の機能は停止され、直線側の線路のみ使用となっています。
信号場の前後の信号機も一切が使用停止となり横向きに…。


小野谷信号場を過ぎて、しばらく行くと左カーブの箇所があり、この付近が事故現場でした。
車窓からはよく見えなかったのですが、今もこの場所には慰霊碑が設置されています。


信楽駅に到着。

駅のホームや駅舎内には所狭しと信楽焼が並べられています。
駅前には巨大なタヌキも。
タヌキを見るといかにも信楽ですよね。


駅舎内の待合所には、事故の記憶を風化させないために、展示がなされています。

ひしゃげた鉄板が事故の衝撃の強さ(物理的にも、社会的にも)を物語っています。
これを見て、当時を思い出しました。
事故当時、私は高校生で、テレビの画面にくぎ付けとなっていました。
時代は平成だというのに、まさか正面衝突なんか起こるとは思っていませんでしたから…。


折り返しの貴生川行きに乗車。
悲しい歴史を背負っている信楽高原鉄道にも、素晴らしい点があります。

上記の峠越えでサミットを越え貴生川寄りで、ところどころで列車の車窓から、眼下に平野が見えます。
かなり高いところを通っているのでしょうね。
ところどころでしか見えませんから、日本三大車窓に匹敵とは言いにくいものの、それでもなかなかの景色ではないでしょうか。
この車窓を楽しむと数分で貴生川に到着。
このあと近江鉄道に乗換えます。

(以下続く)