石油輸送列車

現在、東北の被災地で石油不足が深刻化していますが、JR貨物が石油輸送列車を緊急で設定・運行した事が報道されました。
その事にまつわる諸々が記事になっていましたので、紹介します。


記事が明かす浮き彫りになった問題点

日本海縦貫線で石油を運んだ事がない。
*1
・タンク貨車の確保
・重いタンク貨車の走行に対し、線路や橋脚が耐えられるかわからないのでできるだけ軽い車両を選定。
*2
石油元売りJXの出荷体制
などなど・・・


根岸−盛岡が26時間もかかるそうですから、返空も同等の所要時間とすると1日1往復は無理かと。
*3
記事にあった、確保できたタキ38000が36両なので、貨車が足りない事になりそうです。
しかし、記事中には21日から1日2往復に増便とあります。
毎日2往復の運転なら最低でも6編成ほどが必要となりそうです。
上記の36両以外にも使えそうな車両(タキ1000やタキ43000なども?)を、あちこちからかき集めたのでしょう。


さらには根岸発−新潟貨物タ−磐越西線−郡山着の石油輸送列車も走りだしたそうです。
北九州のDD51が新潟に貸し出されたそうですから、磐越西線の当該列車にも使用されるかもしれません。
*4


鉄道は、インフラさえしっかりしていれば、輸送力は道路交通よりも遥かに大きくなります。
今回は被害のなかった路線を迂回することにより、時間はかかるものの鉄道の特性である大量輸送体制を取る事ができつつあります。
鉄道の重要性を改めて再認識させられる出来事ですね。

*1:2011年貨物時刻表を参照すると、高崎線倉賀野以北−上越線日本海縦貫線−青い森−IGRいわて銀河鉄道には石油輸送列車の設定なし。2010年以前は調べていないのでわかりません。

*2:タキ1000は積車の軸重15t、タキ38000の軸重は積車13.5t。EF64やEF81で軸重16t、EH200に至っては16.8tもあるので、大丈夫だとは思うのですが・・・

*3:部分的に単線区間が多く残る羽越線奥羽線に、最高時速が75km/hまでしか出せない車両(タキ38000)でスジを引くのですから、いかにもスジを設定しにくそうですが・・・

*4:いやしかし、磐越西線の線路規格なんて、日本海縦貫線よりも低そうに思うのですが、タンク貨車の重量は問題にならなかったのかな?
数年前までセメント貨物が走っていたから大丈夫なのかもしれませんが・・・