渡道(9)1月1日その4 斜里での温泉と、夕食のシカとトドに舌鼓

1月1日は、本当は網走まで行くつもりだったのですが、知床斜里で下車しました。
知床斜里駅前のホテルには温泉があるのです。
ビジネスホテルだと狭いユニットバスで立ったままシャワーを浴びることになるのでせわしなく、それが続いていたので「温泉あり」に心が動かされ衝動的に斜里にしました。
手足を伸ばしながら手足を伸ばせるのは本当に気持がよいですね。
露天風呂もあったので、温まっては冷気で冷やすのを何度も繰り返しました。


夕飯について、ホテルのフロントに尋ねると、正月だけあって三十軒以上ある店の大多数は営業していないものの、ひとつだけ確実に営業している店があるとの事なので、教えてもらってそこまで行きました。
昨夜の釧路の悲惨な食糧事情に懲りたので(本タイトル最下行参照)、釧路駅で立ち売りのおじさんから保険の意味合いで購入した「かきめし」を夕食にする必要はなくなりました。
なのでかきめしは明朝の朝食にします。


雪が押し固められ氷結しツルツルに滑りやすい道路を注意しながら歩く事10分、大資本経営ではない、地元の居酒屋的な店でした。
入り口の看板を見ると馬料理が名物のようです。
北海道らしく冷気を入れないように扉が二重になっている入り口から店内に入ると、正月だというのに、若者10人ぐらいが酒盛りしています。もう新年会?
メニューを見ていると、いかにも北海道の気になる食材として「シカの刺身」と「トド焼き定食」があったのでオーダー。


釧路湿原エゾシカをけっこう見ましたが、猟でお肉になったのでしょうか。

シカは股と肩しか使わないそうで、画像のこれは股肉との事。
刺身とはいってもニンニクと醤油をベースにしたタレに漬けこんでました。
若干クセがあるので漬けてるとのこと。
漬けてたらクセはないけど焼いたらクセあるらしいですね。


トド焼きは、赤身が野菜と一緒に焼いてありました。

トドは、シカとは異なり、いくぶんクセがありました。
(かつて小笠原で食べたのアオウミガメの脂身ほどのクセではないですが)
部位は胸の肉との事で、胸しか取らないらしいです。
どうりで脂身がないはずです。


野生動物の肉ってのはクセがあるのでしょうか?
何にせよ、内地でなかなかお目にかかれない食材で満腹になったので満足でした。


昨夜(釧路)の悲惨な一夜…
開いている店が見つからず、唯一開いていた某全国チェーン居酒屋に仕方なく入り、地域性ゼロのメニューしか選択肢のないわびしい大晦日の夕餉だった事を思えば、本当に良かった。

【以下続く】