渡道(8)1月1日その3 摩周駅足湯 網走行きは意外と混雑

足湯に浸かるも温まらない…

摩周駅で下車しました。

当駅で降りる人は、地元客、観光客などほとんどが駅前ロータリーに待ち合わせているクルマやバスでどこかに行きましたが、そうでない雰囲気の人も3〜4人ほどいます。たぶん鉄分の濃い人かと…
摩周駅といえば、かつては弟子屈駅と称していたのですが、摩周湖屈斜路湖の観光促進を狙って現駅名に改称されたのが国鉄がJRに変わってから2〜3年後の話。
しかし、弟子屈というアイヌ語の駅名のほうが、北海道らしくて旅情があるように思うのですが…
なお、摩周駅よりひとつ南の駅は、南弟子屈駅と言います。
中軽井沢(元・沓掛駅)みたく「南摩周」にならなくてよかった。
駅舎は、観光地の駅舎らしく、三角屋根の外観で、赤レンガ(のタイル貼り)やステンドグラスが北海道っぽい雰囲気を醸し出しています。
ここに、窓口・待合室・観光案内所・売店がひとまとめに集められています。


さて、当駅には駅舎の横に足湯があるのです。
次の列車まで約2時間の待ち時間がありますので、せっかくですから足湯を体験してみようと思います。
駅舎を出て左手に足湯があり、岩をいくつか並べて作られた浴槽の上には屋根が設置されているので、雨や雪を気にする事なく入浴できそうです。


泉質はナトリウム塩化物泉、効能は五十肩との事。
まだ三十代なのに右肩が四十肩っぽいものに悩まされている今日この頃のワタクシ、ぜひこの効能にあやかりたいところですが、足湯だから肩は関係なさそう…
とりあえず、靴と靴下を脱ぎ、ジーンズとタイツを膝まで上げて足を湯船に浸します。
温かい…、ようですが、熱くはないようです。
42度のお湯だそうですが、氷点下の空気に触れているためにいくぶん冷めているのかもしれません。

足湯の場合、足の血管を通して温浴効果が全身に行き渡るそうなのですが、いかんせんここは真冬の北海道。
足こそ湯に浸かっていますが、水面より上、膝までまくしあげたジーンズより下は、素肌が氷点下の寒気に触れているので、素肌の部分は寒いのです。
しかも上半身も防寒装備の衣類をまとっているとは言え、寒い北海道の事ですから温かくありません。
足湯には15〜20分は浸かっていたと思います。
せっかくの温浴効果を北海道の寒気が相殺していて、寒さは何とか辛抱できるものの、ちっとも温かくならないのです。
どうも、季節を選んで入るべきだったのかもしれませんね。


網走行きに乗車。意外と混雑

夕方4時を回ると日も暮れ、だんだん暗くなってきました。
次の列車4740D網走行きは17時06分まで来ません。
幸いにして待合室は暖房が効いていますので、寒さに震える事はありませんが、観光案内所は16時頃で店じまい。駅の窓口も16時30分頃で店じまいとなり、だんだん寂しくなってきました。
窓口氏が、待合室のイスに座っている私のところにやってきてどこへ行くのか問うてきました。
次の網走行きに乗る旨を伝えましたところ、わかりました、との事でしたが、日も暮れて暗くなってきたところに旅行者風の人間がいたならば、駅寝で一夜を明かされる…すなわち火の不始末の…心配でもあるのかもしれませんね。


17時06分は網走行きだけでなく、さきほど私が摩周駅に着いた列車が釧路へ折り返し発車する時刻でもあるのです。
発車20分前頃から何人か駅に集まってきました。
地元の人がどちらかの列車に乗るようです。
いつの間にか姿が見えなくなっていた鉄分濃厚な人も再び姿を現せました。


到着時刻直近になったのでホームに出ます。
ほどなく闇の中からヘッドライトの明かりが見えたかと思うと列車が到着しました。

またしてもキハ54の1両単行。
摩周で下車する方が何名もあり、下車が終わると乗車しました。
結構混んでいます。
残念ながら座席は空いていません。
先頭と最後尾のデッキに何人かの立客がいます。
とりあえず先頭のデッキで立ったまま摩周駅を17時06分に発車。
2駅進むと川湯温泉駅。
ここでも数名の下車がありました。
デッキ後方のロングシートが空きましたので、ここに座りました。
それでも最後尾のデッキには立客が少しいます。
座席はほぼ埋まっているので、乗客数は50人ほどでしょうか。

釧網本線で一番不便なこの区間(川湯温泉−緑)において、これほどの乗車があるとは驚きでした。
この区間は4往復しかないために少ない乗客が集中しているのでしょうし、また、年末年始のために混雑しているのでしょう。
その証拠にほとんど全ての乗客が大きな荷物を持っています。
支庁を越えるのですから、もともと流動は少なそうですが、地元客はほとんどなさそう。
年末年始という特殊要因があるので混雑しているのかもしれません。
実態を観察するのならば観光シーズンでない平日のほうがよさそうです。


緑、清里町、と北上し、知床斜里駅に着きました。18時06分着。
今夜の宿はここで予約しているので下車します。
車両から降りた途端、駅員が、バスに乗り換えるか?と訊ねてきました。
他の下車客にも確認すると跨線橋を渡って駅前に停まっているウトロ行き路線バスに声をかけに行きました。するとバスが出発。
ウトロに行く観光客がいたとして、釧路からの列車でアクセスするのか不思議なところです。
改札を通り、駅前ロータリーの横に建っているホテルに入りました。
今夜の宿は温泉付きで、ここに泊まりました。
【以下続く】