特急北近畿に新車投入① 山陰本線改造車番付

やや遅れた話題で恐縮なのですが、大阪から城崎へ直通している特急北近畿が、来春より新車に変更および「特急こうのとり」に名称変更されるとの事です。
↓のURLの4番目の項目を参照。
http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175023_799.html

鉄道業界における山陰本線といえば、これまであまり日の目を見ないエリアで、何かにつけて後回し(11/7の書き込みで使った同じフレーズの再掲で失礼)だったのですが、近頃は色々と手を打たれているようです。
そのひとつとして、先日のはまかぜ新車投入と、今回の書き込みにあるように「こうのとり」用新車の投入がなされます。
まぁ、いつまでも後回しだから、現有のインフラがいよいよ限界に達しつつあるので、ここらで手を打っておこうか、という雰囲気もあるのだと思います。

限界に達しつつあるインフラを下記に羅列してみましょう。
(更新済みのもの、これから更新のものを併記)

(1)何と言っても非電化単線の山陰本線そのもの
ところどころ電化や複線化されてますが、そのほとんどは非電化単線のまま。

(2)余部鉄橋
ついに架け替えられましたね。
強風が吹けば運休するようなネックなので、もしも輸送量がもっと多い路線だったら、とっくの昔に根本的に対策されているでしょう。

(3)車両
山陰本線東部のJR線に限定していえば、昭和50年代前半にキハ40系が投入されて以来、最近の223系まで新車なんて投入されていないはず。
中古車をかき集めるばかりでなく、その中古車を何かといじくり回して面妖な車両を登場させてくれました。
相撲の番付に例えるならば、横綱クラスが113系3800番台でしょう。

改造内容はそんなに珍しいものではないのですが、その結果、新たに設置された運転台周りの外観が、あまりにもインパクト大なので横綱です。しかし、よる年波に勝てず近年廃車されました。


大関級では、片運転台タイプのキハ47形を両運転台に改造したキハ41形です。
これも新たに設置された運転台のある側の外観が、上記113系3800番台と双璧をなす内容なのですが、先に生まれた113系3800番台のインパクトがあまりにも強く大関としました。

(左:新製時からこの外観のキハ40 右:運転台がなかった妻面に新たに運転台を設置したキハ41)



関脇級が485系から交流電化区間用機器を取り外して直流区間専用車となった183系ですね。
取り外した交流機器を、直流区間専用車113系に取り付けて交直流両用の415系とした改造車は張出横綱級だと思っていますが、あいにく投入先は北陸の七尾線でした。
この183系・415系は外観的には改造前とほとんど変わらず、違和感のない仕上がりです。


小結級だと、キハ33系というディーゼルカー
これは、機関車に牽引されないと走れない50系客車に、エンジンなど動力を設置して自走できるようにした車両です。
国鉄末期〜JR創成期の当時、山陰には多数の客車列車があり、いかにも非効率だったがゆえに、ディーゼルカーに置き換えられたのですが、50系客車は当時まだまだ新しく廃車するのも勿体ないので、テスト的にキハ33という改造車を作って様子を見ようとしたのです。
どういうプロセスがあったのか存じませんが、結局キハ33はその後製造されず、新車のキハ120が大量製造されていきました。
キハ33は鳥取や米子を中心に走っていた車両でしたが、少数派しかも改造車ゆえに使いにくかったのでしょう。これも近年廃車されました。
(まったく同種のものに北海道にキハ141という車両があり、まだ現役ですが、札沼線の電化完成と引き換えにたぶん廃車となるでしょう)
↓ビフォー(50系)

↓アフター(キハ33系)


前頭級は…
・福知山地区の115系6000番台:223系新製投入に伴い下関に転属
伯備線〜米子〜出雲市115系:現役
伯備線〜米子〜出雲市の381系:現役
寝台特急出雲(JR西日本持ちの編成)の14系寝台車:いろんな個室改造車を作られましたが、サンライズ出雲として発展的解消を遂げ廃車となりました。
といったところでしょうか。

今後も、かくのごとく奇々怪々な車両を作りだしてくれるであろうと趣味的に期待大な山陰本線(というかJR西日本ですな)です。