近鉄特急リニューアル。まだまだ頑張りそうな16000系。
近鉄特急といえば、オレンジ色と紺色。
私の脳みそにもこのように擦り込まれています。
(↑22000系 2007年7月29日 橿原神宮前)
汎用特急車両にて長年親しまれてきたこのイメージをリニューアルすると近鉄より発表がありました。
1.対象車両 特急車456両のうち、連結運転を行う汎用特急車(一部を除く)
広軌線*1:12400系、12410系、12600系 ・・・ 40両
30000系・・・ 60両
22000系・・・ 86両
22600系・・・ 32両
狭軌線:16000系、16010系・・・ 10両
16400系・・・ 4両
16600系・・・ 4両 計236両
※狭軌線・・・南大阪線、吉野線
その対象をよく見ると、
・標準軌線区では12400系以降。
・南大阪線では16000系以降。
標準軌区間のかつての代表的車両といってもよい12200系は含まれていません。
(↑12200系+30000系 2007年7月29日 伊賀神戸)
すこしずつ廃車が進行していますが、まだまだ多く残っています。
しかし、この先長く使用することは見込まれないであろう車両には、手を加えないのであろうことも読み取れます。
しかしながら、南大阪線は16000系と記載されていますから、今後も当分は大事に使うようです。
(↑16000系 2004年4月13日 市尾)
現存する16000系で最も古い編成(16007F)が1970年製。
12200系も16000系もおおむね同世代の車両です。
12200系は名阪や名伊などで高速長距離運転をしているのに対し、16000系は比較的短距離である南大阪線で、しかもさほど高速運転をしないため、同世代の車両であっても
12200系と16000系では車両の疲労度に差があるのでしょうか。
現存する16000系は内装もリニューアルしていますから、まだ使えるとの判断もあるのかもしれませんね。
(↑16000系 2009年3月22日 大阪阿部野橋)
他に、特急の利用が標準軌線区と比べ芳しくなさそうな南大阪線ですから、収支を考えると、なかなか設備投資に踏み切れない、という判断もあるかと思います。
新車だと、減価償却前で1両あたりの簿価が1億〜2億円ぐらいするでしょうが、電車の法定減価償却年数13年を過ぎたら、簿価はほぼタダ(最低1円)であり*2、減価償却費というコストが新しい車両と比べて発生しないためor発生額が低くなるために、利益が出やすくなります。*3
あと、他の交通機関との競争の有無で、車両の使用期間の長短も左右されるかと思います。
南大阪線の場合、ライバルに乏しく、強いて言うならばマイカーもしくは身内である近鉄大阪線かと思いますが、吉野の桜の季節に至っては、吉野山周辺の道路事情の悪さから、近鉄がほぼ独占状態であり、車両の質にこだわる必要性に乏しいのかもしれません。
16000系のリニューアルは、以上のような事情が絡んでいるのかな、と考えてみた次第です。
なんにせよ、ひと昔前のデザインの16000系がまだまだ活躍しそうで、南大阪線ファン(笑)としては、まだまだ興味の尽きないところです。