留萌本線末端部(留萌−増毛)廃止へ。当該区間のスタフ閉塞も・・・

表題の通り、留萌本線の末端部が平成28年度中に廃止されることになりました。
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(↑2枚とも増毛駅
大幅な乗客減(輸送密度1日平均39人。1列車あたり輸送密度3人)では、とても鉄道としての特性(大量輸送)を発揮できていなさそうな様子。
私が2005年3月2日に乗車した際(深川→留萌、折り返して留萌→深川)も、とても乗客が少なかった記憶がありました。
留萌本線といえば、かつては羽幌線という、本線自身の背丈(66.8km)以上に長い支線(141.1km)を従えていましたが、1987年3月30日に廃止され、支線がないのに今も本線を名乗っている路線です。

(↑留萌駅
沿線にはさほど大きな都市がなく(留萌市で人口22000〜23000人/2015年)、沿線人口として、沿線の市町村と起点の深川市をすべて合わせても40000人程度しかなく、実際に鉄道を利用できる範囲に居住している人口はもっと少なそう。
かつ、盲腸線のため、他の都市への通過需要も見込めそうになく、近年はローカル輸送で細々と運営するのみでした。
かつて運行されていた札幌直通列車でもあれば、と思いますが今はそれもなく、バスのほうが距離も時間も本数も有利な状況。*1
廃止予定区間では、雪どけの季節には、地盤がゆるんで土砂崩れを起こし、運休したこともあったそうで、JR北海道の発表する輸送密度では雪や土砂崩れに対する安全投資をしようにもその費用すら賄えそうにない状況で廃止もやむなしかもしれません。
話が逸れますが、北海道の交通を見ていると、札幌に通じてこそ、その意義を発揮できるのかもしれないと個人的に感じるところがあります。日高本線・石勝線夕張支線も直通していないからか、細々としたものです。その感想を記している特快きたみ乗車のブログはここを参照

(↑増毛駅
近頃、JR北海道において、輸送量の僅少な区間の廃止が相次ぐことになり*2、これらの区間を維持できないほどにJR北海道をとりまく状況がとても厳しいこと*3が垣間見える一件でもあると思いました。

増毛駅内にあったそば屋さん。夏季のみ営業らしく私の訪問時には閉じられていました。


あと、当該区間が廃止となると、JR北海道にわずか2ヶ所だけ残っているスタフ閉塞*4のうちの1ヶ所が廃止でもあります。*5 *6

(↑留萌駅にて増毛行きに通票を授けているところ。)
残1ヶ所は札沼線石狩月形新十津川間だけとなります。留萌駅で、通票*7の授受を見ることができたのですが、これも廃止までとなります。

(↑留萌−増毛間の通票を入れた北海道タイプのキャリアが運転台に据え置かれています。)
非自動閉塞をとりまく状況はますます厳しい。
列車が駅を通過しながら運転助士が腕を伸ばして通票を授受する光景はもはや夢物語で、停車している列車の通票授受ですら絶滅寸前となりました。
国鉄時代の車両を使用した「懐かしの◎▲◆号」がまれに運転されますが、どうせなら、演出でもいいから、通票の通過授受や腕木式信号機も復活できないもんでしょうか。
キハ28・キハ52が走っているいすみ鉄道さんやキハ20が走っている水島臨海鉄道さんやひたちなか海浜鉄道さんで再現できないかなぁ。


※画像はすべて2005年3月2日撮影

*1:沿岸バス、北海道中央バスなど

*2:江差線末端、今回の留萌本線末端

*3:全体的な輸送量の減少。相次ぐトラブル。経営資源をトラブルの対策と北海道新幹線に集中させるのに精一杯。よってDMVや新型特急気動車の開発中止および路線の廃止。

*4:非自動閉塞の一種

*5:留萌本線の根元である深川−留萌間は特殊自動閉塞。

*6:北海道にタブレット閉塞や票券閉塞は残っていません。

*7:通票種別:2種(穴の形はヨンカク)