信州ローカル私鉄めぐり(4) 2012年1月8〜9日 急行きたぐに

新潟2258→(502M急行きたぐに)→649大阪

新潟より、2012年3月をもって廃止となった急行きたぐに号で帰阪しました。
実はこの列車の指定券を押さえようとしていたのですが、確保にかかる時期が遅くて、とりあえず空いていたのが、グリーン車
グリーン車に空席があったことは幸運ではあったと思いますが、せっかくのきたぐに号に乗車なのだから、グリーン席のような中途半端な座席で一夜を明かすのは本望ではありません。
(↓2005年1月12日撮影)

実はきたぐに号のグリーン車乗車経験はなく、もしも今回乗車ならば、サロ581独特の高い天井などが見聞でき、これはこれで貴重な体験なのでしょうが、せっかくの寝台車連結列車ですから寝台で横になりたい。
なので、何度もみどりの窓口に立ち寄って、寝台の空席を確認していました。
空席がなければ自由席のつもりでしたが、三十路も後半なので、583系の座席はゆったりしているとはいえ、ボックスシートで一夜を明かすのはいかにもしんどいところ。
色んな駅のみどりの窓口で確認していたところ、その(1)で書いたように、中津川駅みどりの窓口でA寝台下段の確保ができました。
それまではA寝台は満席だったので、キャンセルが出たのでしょうか。
ハネでもよかったんだけど、開放A寝台の経験がなかったので、少し嬉しいところ。

さて、新潟駅にて土産等買い込み、プラットホームへ。
ホーム上にはカメラを手にした多くの同業者が待ち構えていました。
私もその一人です(^_^);
発車約30分前の22時25分頃、新津方より583系の回送列車が入線してきました。
(↓以下画像2枚は動画より切り抜き)

↑の画像のように、動く列車にフラッシュを焚いて撮影する人も。
フラッシュの光による運転士の目への悪影響を考えられないのかな。

私のデジカメはオートフォーカスでしか撮影できないタイプで、暗い中を動く列車にフラッシュを焚いて撮影したところで、どうせまともな写真は撮れませんから、入線時の様子はデジカメの動画機能で撮影。
フラッシュを焚けない場合、画像のISO感度を上げて(ただし画像は粗くなる)、露出を敢えて暗くすることで、手振れの可能性が低くなるシャッタースピードを確保して撮影しています。

私は、鉄道趣味者の一人として、鉄道業界の使命たる「安全・安定輸送の確保」の邪魔をしてはならないと考えています。
安全の確保は鉄道事業者だけの責務ではなく、我々のような鉄道愛好家や利用者が少しだけ気配りするだけでも事故や危険を回避できるものだと思っています。


さて、きたぐに号が入線してきましたので、早速乗車。

「特急」きたぐに号大阪行き(笑)
幕が微妙なところでズレちゃってます。
私の指定席は7号車A寝台。サロネ581-5に乗車。

↓さすがはA寝台だけあって、床に絨毯。通路を通る歩行者の足音の防音にも配慮されています。リノリウム貼りのB寝台とは違いますネ。(2005年1月12日撮影)


↓寝台が二段ゆえ、寝台の天地方向に余裕あり。(2005年1月12日撮影)


↓ここが私の寝床。7号車1番下段。

B寝台の下段とは異なり広いです。
だけど、荷棚のパイプが天井部分に目に入ります。B寝台の中段と同様ですね。
A寝台なんだから、何とかならなかったのでしょうか。
B寝台からの改造ゆえ仕方ないのかもしれませんが。
また、テーブルもハネ時代のものをそのまま流用。
客車開放A寝台のような大型テーブルではありません。
あと、客車A寝台には装備されていた小さな鏡もありませんでした。


↓A寝台上段。(2005年1月12日撮影)

B寝台の狭苦しい上段とは違って高さがあるものの、車体の肩部分のRがいくぶん狭苦しい印象。
寝台幅が約90cmらしいですが荷物の置き場がないので、通路上の荷棚を利用することで寝台をまるまる寝床として利用できる客車2段ハネ上段のほうが、居心地が良いと感じる人もいるかもしれませんね。


↓A寝台にのみ装備されている喫煙スペースのボックスシート

私の1番下段とこの喫煙スペースは扉1枚を挟んで隣り合っています。
新潟発車後1時間ほど、ここで大声でしゃべってるグループがいました。
寝台列車なんだから配慮できないのかと腹立たしかった限り。


新潟を発車して、自分の寝台に潜りこみました。
もぐりこんだと言っても、すぐに横臥せずに座った状態で缶チューハイをチビチビと飲んでました。
上背があって座高が高い私が座っても頭が天井に当たらないので、居心地よく酒が飲めました。
これが、3段式のB寝台だと天井が低いために、頭が当たるので中途半端な姿勢となり、酒が飲みにくいのです。
B寝台下段は、窓際に頭を突っ込める空間がわずかにあるのですが、
(↓コートを架けている部分がその空間。2005年1月11日撮影)

中段・上段は下段のような空間もなく、頭が天井に当たってしまいます。
ただし、パンタ下中段だけは天井高さが高くて、余裕をもって座る事ができたのですが。
余裕ある姿勢で酒をチビチビ飲んでいると、私の寝台である1番下段は台車の真上だけあって、振動が結構気になりました。
もっとも、アルコールが回ってくると関係なくなってくるのですけどね(^_^);
むしろ上述した喫煙スペースの連中の大声のほうがやかましかった。


きたぐに号は新潟からの最終優等列車でもあるので、新津、加茂、東三条、見附、長岡、来迎寺、柏崎、柿崎、直江津・・・と、結構こまめに停車していきます。
やはり長岡ではそれなりに乗降があったようです。
長岡を発車すると、車内は減光されました。*1

このあと、糸魚川ぐらいまでは起きていたかと思いますが、そこから先は眠りについたようでした。
一夜あけ、もうまもなく大阪。
せっかくの寝台列車
非日常の体験なので、少しでも長く眠らずにいたかったと思うものの、若くないので体にこたえるのと、せっかくの寝台列車ゆえに眠らないと勿体ないと、相反する状況を抱えたまま、もうすぐ下車しなければなりません。
そのような名残惜しさを感じつつ、淀川の鉄橋を減速しながら渡ると大阪駅
しかし、1月上旬だけあって、まだ周囲は薄暗いまま。
6時49分、定刻通りに大阪駅に到着しました。

昨夜の新潟駅同様、ここにも多くの人がきたぐにを見守っていました。
数分の停車ののち、回送として塚本方面へと発車。
結局、これが583系急行きたぐに号の最後の乗車となりました。

大阪から北陸、東北方面を目指すには本当に便利な夜行列車でした。
583系が老朽化で使えなくなっても、681・683系を使用してでも存続してほしかったなぁ。
何度も利用しただけあって、廃止は本当に残念でなりません。


(了)

*1:他、グリーン車とB寝台も減光されますが、普通車自由席だけは減光せず明るいまま。