タビテツ関東平野外周編その8 ひたちなか海浜鉄道

階段を昇って、本屋側のホームに渡ると切欠きホームがあり、ここにひたちなか海浜鉄道の乗り場があります。

前述の竜ヶ崎線のように、小さいながらも独立した駅舎や乗り場がある事例があるかと思えば、ひたちなか海浜鉄道のように家主たるJRに間借りして切欠きホームを使用している事例とがあり、過去に色んな経緯があったのでしょうが、色んな事例があって面白いところ。
車両は3710型(=ミナト)と言うんですね。
いかにも非電化私鉄ローカル線に行けば見られる同タイプの車両。新潟トランシス製かな?
キハ20を期待していたんだけどそれは叶わず。

1日フリー切符を購入しました。
車内に入ると座席の6〜7割が埋まる程度に結構乗客がいます。
勝田14時39分発、135列車阿字ヶ浦行きに乗車。
1両単行の列車が左カーブで常磐線と離れていきました。
カーブを曲がりきる寸前にもうブレーキがかかり、日工前駅に停車。
次は交換駅の金上。あいにく交換なしで発車。
金上を発車すると、次の中根までの間に2011年3月の地震で池が決壊して線路が流された箇所があります。
キレイに補修されて新しいバラストや法面となっていました。
池であった場所が、埋め立てられていますね。

(↑上り列車より撮影)
他にも、地震で軌道がグニャリと曲がる被害があった箇所もあったそうですが、そういった箇所もきちんと修理されていました。新しいバラストやPC枕木の箇所がおそらくそうだと思います。
列車は那珂湊に到着しました。
乗客の大半がここで下車。
車内は私ともう一人、同業者っぽい方の2人だけとなりました。

那珂湊駅には、キハ20や22などが数両留置されています。

また、交換する列車は元・三木鉄道の車両。
こんな涎垂モノな車両がそこに見えるのに、私はこの駅で下車することなく通過してしまいました。
関西から茨城県なんてとっても遠いので、見たくなったからといってとても気軽に行ける距離ではありません。
今になって思えば途中下車するんだったと悔やまれるところ。
那珂湊を発車すると、このまま南東方向へ直進すると太平洋に出てしまうために、列車は左カーブで進路を北東へと変更。
ここから先は太平洋沿いに北上。
しかし、海はあいにく見えません。
周囲は田園風景のまま、15時05分阿字ヶ浦駅到着。

駅のホームは意外と新しい。
近年、手が加えられた様子。
また、ローカル私鉄の終着駅にしては、駅構内が広い。
島式1面2線のほか、保線車両用の線路もありました。
かつて、上野から阿字ヶ浦まで海水浴客のための臨時列車が直通していた名残でしょうか。

ホームの新しさとは裏腹に、駅舎は年季が入っていました。
自動券売機だけは、画面が液晶タイプの最新式のようで、駅舎とミスマッチ。
窓口もカーテンが閉じられています。無人駅のようす。
しかし、運転士は駅舎の中に入っていきました。折り返し列車発車までの休憩?
ここから阿字ヶ浦海水浴場までは500M程度。
海を見たいと思いましたが、折り返しまでの間合いが14分しかない上に、風が強く雪もちらちら舞っており、あいにく海を眺めるような天候ではありませんので断念。
15時19分、折り返し138列車が発車。
折り返し列車には地元客が数名乗車していました。
10分少々で那珂湊駅
そこそこ乗車があります。
往路でも降車がそれなりにありましたし、また、平日朝夕には勝田−那珂湊間の区間列車が設定されているだけあって、旅客の流動がひと段落するのが当駅のようです。
上述のキハ20等を後ろ髪引かれる思いで見送って、15時45分勝田駅に戻ってきました。

勝田で常磐線上り列車に乗換え。
568M水戸行き。たった一駅だけの運転。

車両はE501系でした。
209系を交直流電車にしたような車両。
これが増備されて常磐線の快速を上野から取手までといわず、さらに足を延ばした列車を増発でもするのだろうかと思いきや、415系の運用の一部を置き換えただけで、その後の増備はE531系になってしまいました。
しかも、E531系にはグリーン車が連結されても、E501系にはグリーン車が連結されず、結局水戸線常磐線土浦以北での運用だけとなってしまい、上野に顔を出さなくなってしまった始末。
せっかくの交直流電車だというのに、直流区間を走るのは、水戸線の小山−小田林間のたった一駅だけ。
かくのごとく、どうにも中途半端な存在の501系、上野まで運転されていた時代に一度だけ乗車したことがありましたので、かなり久々の乗車なのです。
しかし、車内は4ドアロングシート、しかもたった一駅だけとあっては、特に感慨もなくたった7分で水戸に到着。
水戸で1434M上野行きに乗り換え。
ちょっと奮発してグリーン車に乗車。水戸16時06分発。
缶チューハイのロング缶も買って、くつろいだ気分で乗車しました。

年末だけあって1年間でも最も日没が早い時期。土浦の手前でかなり暗くなってきました。
缶チューハイを開けて飲み始めたのが石岡あたりから。
アルコールでまったりしかけていたところ、「土浦で16分停車します。上野へお急ぎの方は隣のホームの電車に乗り換えたし」との案内放送がありました。
時刻表を見ると、2分の連絡で2432Mと接続なのです。
これは全く気づきませんでした。
時刻表を見ていたものの上野到着時刻しか見ておらず、土浦の長時間停車も特急の通過待ちだとばかり思っていたのです。
普通と快速の接続なら有り得ますが、まさか普通と普通の接続なんてものがあるとは。
実は、過去に上越線の前橋で同様の接続がある事に気づかずに悔しい思いをしたことがありました。
上野には16分も早く到着できるので、大慌てで座席周りの荷物をまとめて乗り換えました。
さすがにチューハイの缶だけはどうしようもないので、手に持って移動。
首都圏の普通列車グリーン車は、同一方向への乗車ならば通しの料金でOKなので、グリーン券を買いなおす必要もありません。
念のため、検札にきた女性アテンダントにこの旨を確認しましたところ、やはりOKとの返事だったので一安心。
こんどこそリラックスして缶チューハイを飲みました。
上野には18時ちょうどに到着。
このあと、友人と食事の予定があって、上野で待ち合わせしていました。
友人が来るまでの間、上野駅見物をしていたところ、異様な光景を目にしました。

14番線の終端部に多くの人だかり。
全員がカメラを所持。
こんな場所にこれほどまで多くの人が集まるのは、珍しい列車がやってくる以外ありません。
持参の「コンパス時刻表」にて、東北本線のページ、常磐線のページ、そして高崎線のページをそれぞれ調べても18〜19時頃に目を引くような列車は見当たりません。
他に有り得るとしたら、臨時列車。
臨時が別掲となっている黄色の紙のページをめくってみると…、やっと判明しました。
まさかこんな大物だったとは。
その大物とは、「あけぼの81号、電車3段寝台」でした。
電車3段寝台ということは583系ですよ。
そりゃ、撮り鉄さんが集まるはずですね。

そういえば、昨日(12月28日)、上野から宇都宮への移動中、尾久の車庫で583系がちらっとだけ見えたのですよ。

てっきり、TDL臨の「わくわくドリーム」か何かだと思っていたのですが、臨時あけぼのに充当だったのですね。
もはや絶滅寸前の国鉄色583系。いわば特別天然記念物です。
このまま、14番線でかじりついていたいところでしたが、友人との食事のため、泣く泣くあきらめて14番線を後にしました。

友人とはアメ横近くで食事。
そのあと、秋葉原より京浜東北線で東京駅まで移動。
東京駅より21時22分発沼津行き337Mに乗車。
宿を取っている平塚まで移動。
発車10分ほど前に乗り込んだのですが、とても運がよいことに空席を見つけ着席。
アルコールのせいで、座るや否や眠りに落ちました。
寝過ごしてそのまま沼津まで行ってしまわないか心配でしたが、幸い藤沢〜辻堂辺りで目が覚めました。
E231系普通車のクッションが硬くて熟睡できなかったのかな?
居心地のよいグリーン車だったら危険だったかもしれません(^_^);
平塚では後部5両を切り離し。
その作業を見届けてから改札を出てホテルに投宿しました。