タビテツ関東平野外周編その5 JRバス水都西線、真岡鉄道(2012年12月29日)

12月29日。
宇都宮で一泊した翌日、関東平野ローカル私鉄めぐりを再開します。

私が宿泊したのはJR宇都宮のエリア。少し離れたところには東武宇都宮駅もあります。
JRと私鉄がくっついていないのは、なんだかJRと近鉄奈良駅みたいな関係でしょうか。
私にとって、宇都宮(だけでなく北関東全般)は全く馴染みのないエリアです。
しかし、宇都宮駅の規模、駅前の歩道橋やバスロータリー、駅周辺などをざっと見まわしたところ、結構な規模の都市のようです。
で、まるっきり忘れてたのですが、宇都宮市って、栃木市をさしおいて(笑)、栃木県の県都なんですよね。
自動車メーカーやその裾野の部品メーカー等々、第二次産業が集積しているぐらいは知っていましたが、宇都宮駅前の雰囲気を見ると、何となくその片鱗がうかがえるような。
同じ県都でも、上記の奈良よりも駅前は立派。まぁ、観光都市の奈良と性格は異なりますが。
何かと話題を振りまいている餃子の像を瞥見し、像に隣接するバスロータリーへ移動。
その立派なロータリーに発着するバスにこれから乗車。

(↑茂木駅前にて撮影)
JRバス関東・水都西線のバスにて、茂木駅まで乗車。
路線名に「水都」と付されているので、この辺りに水郷みたいな街や名所ってあったかしらん?と不思議に思っていたのですが、よく考えると水戸の「水」と、宇都宮の「都」なのですね。
しかし、バスの路線図を見ても宇都宮と水戸をダイレクトに結んでいない。
私がこれから乗車する茂木までの水都西線と、水戸側に赤塚〜水戸の水都東線があるだけ。
興浜北線・南線や越美北線・南線のように、かつての国鉄路線によく見られた未開業区間のように間がぽっかりと抜け落ちています。
抜け落ちている区間を他のバス路線が埋め合わせている様子もなし。
現在、高速バスが宇都宮と水戸をダイレクトに結んでいるものの、これとて本数は6往復とさほど多くない。
かつてはダイレクトに結んでいたらしいのですが、さほどニーズは多くないのでしょう。地域のローカル輸送をこなしつつ、宇都宮〜水戸を運行しても採算が合わないのでしょうね。
茂木行きバスが発車2〜3分前に到着し乗車。
定刻7時15分に発車。
最初の宇都宮エリアでこそ10名足らずの乗車があるものの、少し走っては下車あるものの乗車なし。
だだっ広い関東平野を淡々と進むと幅広の鬼怒川を渡りました。
名こそ鬼怒川なれど、ここまで下れば上流の温泉地帯のような渓谷美はなく、邪魔するもののない平野部を幅広に河川敷が占領していました。
だだっ広い関東平野ですが鬼怒川を渡ると、少しばかり登り坂となり、さほど高くもないようですが丘陵地を越えますと、小貝川の水系へと下っていきました。
丘陵地が分水嶺となっていたようですが、日本海側と太平洋側を隔てる険しい分水嶺っぽい雰囲気は全くありません。
かくのごとく、平らなようでも起伏もある関東平野を車窓から楽しむつもりが、気持ち悪くなってきました。
なぜか車酔いしたようです。
乗車位置は車体左側の最前列。前輪の真上です。
しかし、駆動輪ではありません。
少々眠気があったのと、眠気と曲線走行時の左右への揺れが車酔いにつながったのか?
車酔いなんて、近年なかった事なので、不思議なところ。
気持ち悪さを抱えたまましばらくすると、単線非電化のか細い線路が見えてきまして、8時25分頃、茂木駅に到着。
ここで降りたのは私ともう一人いただけでした。

茂木駅より、真岡鉄道に乗車。
まだ列車は到着していないので、駅構内を観察。
SL運転用の機回線と転車台あり。
転車台は小さい。直径10Mあるかないか程度。梅小路で見られるような、C62も対応の大きなものではありません。
C11のサイズならばこれで十分なのでしょう。
給水施設もありますが、昔ながらの高い給水塔ではなく、FRP製の水槽でした。
緑色のドットパターンと、車体裾が朱色の車両に乗り込むと、車内はオールロングシート
ボックスシートでノンビリしたかったな。
8時52分、114列車は少々の乗客とともに発車。

列車はだだっ広い関東平野を淡々と走っています。
しかも、下り坂なので、少し加速したらあとは惰行の繰り返し。
どうにも退屈していると、真岡に停車。
駅舎はSLを模した珍しい形状。

周囲を見回すと、いまどき珍しい車両が留置されていました。
キハ20?や青色の旧客、青色のディーゼル機関車が駅舎側に留置されていたほか、SL運転用で、ブドウ色に塗り替えられた50系客車が駅舎とは反対側の留置線に。

50系は新しい車両なのに、時代の変化に取り残された不遇の車両。
私の地元の和歌山線でも1984年まで走っていました。
小学生の頃に、私の最寄駅でDE10+50系を見たことがあり、ぜひ一度乗車してみたいと思ってその翌日に駅に行ったら105系がやってきて友人と二人でがっかりした悲しい記憶があります。改正日だったのか、改正を待たずに置き換えられたのか…
それはさておき、ブドウ色の50系を外から車内を眺めると、ほぼ原形のままのようですね。

肝心のC11が見えないな、と思っていたら、その2で書いたように、前日に小山で見ていました
まだ当駅まで回送されていないのでしょうか。
この日はSLもおか号の運転日なので、もうひとつのカマであるC12がどこか見えないところにいるのかな?
他にも珍しい車両をもっと当駅で眺めていたいところなれど、停車時間はわずか5〜6分。
30秒停車だったら、車窓から見る以外ない訳で、5分でも眺められただけ良しとしなければ。
真岡を9時42分に発車し、またもや関東平野を淡々と走行し退屈な車窓だと思っていたところ、終点下館に10時08分到着。