タビテツ関東平野外周編その1 サンライズ瀬戸で旅立ち(2012/12/27)

この年末年始、世間の多くの会社よりお休みが2日早く始まることになりました。

これを活用し、タビテツを実行すべく、色々悩んでいまして…。
(1)絶滅寸前の寝台列車利用の旅
(2)未乗のローカル私鉄を乗り潰す旅
  a)四国
  b)関東外周
(1)は、27日発の列車を狙っていたのです。
寝台券の発売日から確保にかかれば取れたのでしょうけど、確保にかかったのが12月半ば頃。
北斗星の個室やトワイライトの個室寝台はすでに満室、これらの列車及び臨時急行きたぐにの開放B寝台ならば空席ある状況。
いまや開放B寝台であっても絶滅寸前ですから、確保に走ればよかったのでしょうが、個室にささやかながらこだわりがありました。
開放B寝台も、カーテンを閉めてしまえば個室みたいなもんですが。
あと、北日本の路線はほぼ走破しており(JRは完乗。地下鉄や路面電車に少し乗り残しがありますが)、個室がとれない中、どうにも気乗りしない状況でした。
その後も何度かみどりの窓口で個室を調べてもらうも空席なき状況。
なので、第2希望の(2-a)四国を前向きに考えていました。
日は過ぎていき、27日の休みに入れば四国にしようかと思っていたところ、その27日の朝、目が覚めたのが朝7時頃。
日中の時間が短い冬場なので地元の近鉄を6時前後に出発しよう(ならば起床は5時)と考えていたので、四国行きは潰えてしまいました。
折しも27日は好天で暖か。
四国を見過ごしてしまったことが悔しいところ。
故・宮脇俊三さんも寝過ごして出発できなかったことがあり、プロ野球の好打者は初球が好球でも見送るもの、とたとえて書いています。*1
私は好打者でもなくむしろ三流打者で、寝台列車も四国も見逃して2ストライクまで追い込まれてしまった状況。
追い込まれて手を出したのが(2-b)の関東ローカル私鉄案でした。
27日昼、サイバーステーション空席照会で調べてみたところ、東に向かう列車で…
 きたぐに:◯
 ムーンライトながら:△
 サンライズ瀬戸ノビノビ座席:△。
きたぐにを前向きに考えたのですが、関東私鉄を目指すには、上越線磐越西線経由となり、上越線ならば秩父鉄道磐越西線なら会津鉄道野岩鉄道を目指すところ。
しかしきたぐには、昨年夏、今年1月に乗車しており、またまたきたぐにというのも芸がない気がしてパス。
もっとも、臨時運転に格下げされ、今後簡単にきたぐにを利用できないかもしれないのですが…
そこで東海道経由。
MLながらは18切符で利用でき、コストパフォーマンスは良いのですが、あの窮屈な座席で一夜を明かすのが、もはや中年の私には自信がない。
そこでサンライズ
ノビノビ座席を、と思ったのですが、この数日風邪気味で、鼻や喉がおかしい。
枕も布団もないあの寝床で無理して*2、もしも風邪をこじらせては大変だなあ、とも考え、みどりの窓口で個室寝台の空きを調べてもらいました。*3
するとB個室ソロが出雲はないけど瀬戸にあるとの事で、ソロを確保したのです。
円高いシングルでもよかったのですが、シングルは過去に乗車体験があるので、乗り比べも兼ねてソロにした次第。
ここまで長文ですが、優柔不断かつ怠惰な私が、上記の如く葛藤及び迷走の末、やっと旅行開始となりました。


27日22時45分頃、地元の近鉄最寄り駅を出発。
こんな時間の上り電車あべの橋行きなんて、こんな用事でもない限りまず乗らない。
空席だらけだけど、途中から少しずつ乗車があります。
道明寺では酔っ払いが乗り込んできてやかましい。
酔っ払いに閉口しつつ、あべの橋着が23時半頃。
発車待ち下り電車は忘年会シーズンだけあってかなりの混雑。


ところで、サンライズの寝台券を買ったとき、寝台券の確保だけで喜んでしまい、大阪市内→東京都区内の乗車券の購入をうっかり失念したのです。
天王寺で購入しようと思ったら、こんな時間帯だとみどりの窓口は閉まっており、長距離の乗車券を発券可能なみどりの券売機も利用時間外でした。
こうなると車内で車掌から購入するより他に手はありません。
クレジットカードで買おうと思っていたのですが仕方ありませんね。
とりあえず、初乗り120円の乗車券を購入。


環状線外回りで大阪まで移動。
さきほどの近鉄同様混雑していました。
大阪に着いたらこの電車も、反対側ホームの内回りも天王寺行き最終電車とのことで、朝ラッシュ並の混雑となって出ていきました。*4
サンライズの発着する11番線に移動。
11番線から、JR京都線のホームがよく見えました。
これも最終。
京都行き新快速は停車駅が限られるからか座席満席+幾分の立客で出発。
その数分後、高槻どまりの普通がいよいよの最終。
こちらは結構混んでいた模様。
新快速も普通も、これを逃せば翌朝まで電車がないので発車間際に階段を駆け上がってくる人を全て待ってからの発車となりました。
これで乗客がいるのは11番線だけ。
こんな深夜の11番線に客がざっと30人ぐらいいたように思います。
大阪から東京まで、たった六時間半の乗車なのに、B寝台個室で約18,000円、ノビノビ座席でも約12,000円も支払って乗車があるとは、さすがは東海道ベルト地帯だけありますね。
たぶん三ノ宮からも乗車はあったんじゃないかな。
かつての急行銀河のように、もう少し利用しやすい時間帯であれば、もっと乗車があるんじゃないのかと思います。
こんなのを目の当たりにすると、銀河が「老衰」で廃止されましたが、もう少し手の打ちようがなかったものかと残念でなりません。


サンライズに乗り込みました。

大阪を0時34分出発。定発。
あてがわれた個室は10号車1番。
いちばん端でした。
もう一室空席で残っていたのが通路をはさんで反対側の20番。
台車の近く、ほぼ真上に位置するので、線路からの震動とモータの唸りが気になるところ。
同じく寝台電車たる583系のモハネにも乗車経験ありますが、震動はともかく、モータ音やレール継ぎ目の音は583系のほうが静かなように感じました。

サンライズは電車であるがゆえにモータを搭載せざるを得ません。
このソロ個室の車両にモータが搭載しており、床下には他にもぎっしり機器が詰め込まれてるがゆえに2階建て構造にできず平屋構造できません。
客室高さが不足する分、L字形状の個室を上下で互い違いに組み合わせて部屋を作っているために、個室内の高さが低く、しかも個室内には構造上やむを得ない出っ張りもあって、あまり広いとは言えない状況にあります。
私は出っ張りに頭をぶつけました。
これを思うと、シングルは二階建て構造で、個室も直方体になっているし、長身気味の私が室内で立ち上がっても頭が天井に当たらないので、居住性はまるで違います。
なるほどこれがソロとシングルにおける千円の違いとして設定されているのでしょう。
もっとも、寝てしまえば一緒なんですけどね。

自室は進行方向左側ゆえ、向日町のキト区を眺める事かなわず。
鉄道に乗車する際は、進行方向右側のほうが対向列車を眺める事もできて面白いところ。
但し、夜行で対向を眺めていると、いつまでたっても眠れない可能性があるため、左側のほうがベターではあると感じてます。
しかし梅小路を、そして京浜東北線横須賀線、東京車両センター*5を眺めることはできました。
また、個室の場合、室内の照明をすべて消灯し車窓を眺めると*6、窓に自分の姿が反射することもなく、貨物駅の高い照明塔が放つカクテル光線や、豆粒のようにほのかに輝く沿線建物の照明など、昼間とはまた違った車窓を楽しめるのが良いですね。


岡山車掌区の車掌氏から乗車券を購入。

ペラッとしたレシートみたいな用紙でどうにも有り難みに乏しい。
手書きの出札補充券なんかだと重みがありそう。*7


サンライズは京都を通過。
0番線と2番線のあいだ、ホームのない1番線を通過でした。
1番線は貨物列車が通過することは何度もも見ていますが、旅客列車での通過はなかなか体験できないのではないでしょうか。
京都ですら通過なのですが、1時42分頃に米原に停車。
会社の境界ゆえ運転士の交替でしょう。
1時44分頃発車。
この先、うとうとしながらも完全には眠れず、一度どこかの駅で−−たぶん名古屋?−−停車したような気がします。
その後は眠りについたようで、静岡、富士、沼津、熱海の停車駅でも気づかず、目が覚めたのはうっすら明るくなりつつある藤沢付近でした。
大船で先行の普通を追い越して、横浜に停車。
横浜駅のホームには大船で追い越した普通に乗るであろう乗客が結構な人数いることに驚き。
浴衣でゴロンとしている姿を眺められるのが恥ずかしいのでカーテンを閉めました。
すぐに発車し再度開けましたが。

品川を通過することに、長距離特別急行の風格を感じながら、7時08分、無事に東京駅9番線に着きました。定着。

*1:時刻表二万キロ

*2:乗ってから気づいたんだけど、枕はないけど毛布がありました。しまったなぁ…。あけぼののゴロンとシートが何もなかったんだっけ。

*3:サイバーステーションで個室の空席照会は不可

*4:外回りはこのあと、京橋止まりが数本あるだけ

*5:私のような中年には山手電車区のほうが馴染みあり。

*6:プルマン式寝台の下段でもカーテンを閉めればOK。

*7:自分の記憶の範囲においては、小学生の頃にパンチ孔をあけるタイプの補充券を発券してもらった事があるぐらい。他には大学生のときに手書きの定期券を作ってもらったことも有り。