そうだ 九州 行こう その2(A列車で行こう、長部田海床路)

その1からの続きです。

熊本駅で乗換えです。
今度は、天草への観光促進のために開発された「A列車で行こう」。*1
熊本駅の4番乗り場へ移動。

ホームではジャズの名曲「A列車で行こう」が放送設備で流れています。

車体は、黒と金色のシックなデザイン。
車内に入ると・・・

↑ソファーが配され、その周囲には木目調の壁面にステンドグラスなどで飾られ、19世紀後半〜20世紀前半の映画のワンシーンを切り抜いたような雰囲気が演出されています。

↑この列車にもビュフェが設置されています。
もっと優雅に「A-TRAIN BAR」と命名されています。
ここでも各種飲食物が販売されていますので、列車の雰囲気に合わせてハイボール(当地名産のデコポン果汁入りのオリジナル品)を購入。
ステキな車内に少々のお酒。
もう、気分が高まってきますね。
列車は熊本を発車すると、案内放送の際にもBGMとしてA列車で行こうが流れます。


この後、宇土までは坦々と鹿児島本線を南下。
途中、熊本車両センターの横を通過する際に、14系客車多数やキハ58(あそ1962号用)が2両見えました。
また、川尻の電留線にも485系が十数両見えました。
これらはまだ廃車していないのですね。小倉工場の廃車能力の問題もあるからでしょうか。
いっぽう、鹿児島本線に平行するように敷設された新幹線の高架が威容を見せています。
富合駅付近の車両基地は、時期が時期だけにほとんどの車両が出払っていましたが、1編成だけN700系が見えました。


宇土に停車後、まっすぐ南下する鹿児島本線から、西へ急カーブするといよいよ三角線
三角線は2004年に一度乗車していますが、この時はもう夕方で、景色がほとんど見えない中での乗車でした。
今回は日中の乗車ですので十分に景色を堪能できます。
住吉を過ぎると、赤瀬付近まで線路北側に有明海が広がります。
列車は、眺望がよいところでは徐行運転をするサービスっぷり。

この日は天気がよく、有明海の向こうには島原半島の雲仙も望めました。
三角線は赤瀬を過ぎると半島の北側から南側へ移動するために、一旦山中へ。
波多浦駅付近で半島南側へ移り、その次が三角駅
A列車で行こうは、運転時間が40分弱*2と短い。*3
車内が楽しい雰囲気なので、たった40分での下車は名残惜しい。
上記のあそぼーい!が子供・家族連れをターゲットとした列車ならば、A列車でいこうは大人をターゲットとした雰囲気ですね。
三角駅A列車で行こうの運行開始に合わせてリニューアルしたとの事。

私が2004年にここで降り立った時には、駅舎の壁面には船の舵などが飾られているものの、もっと地味な駅だったように記憶していましたが、ガラリと変わるものなんですね。

待合所内はA列車で行こうの内装をそのまま駅にも展開したようなシックな内装でした。


三角港からはA列車で行こうのダイヤに合わせた、天草宝島ライン、天草下島の本渡港行きの船が出ていくところでした。

この船に乗ってみたかったのですが、行って戻ってくるだけでも2時間以上かかるとの事だったのであえなく断念。


三角駅より折り返しの普通列車に乗車。キハ200でした。
先ほどの特急は賑やかでしたが、地元の人たちが乗り合わせている普通列車のほうが、本来の三角線の姿でもあります。
27分で住吉駅に到着。ここで下車。
一見、何の変哲もない駅なのですが、この駅から国道57号線沿いに20分ほど西へ歩くと、情感あふれる景色が眺められるので降りてみました。

長部田海床路(ながへたかいしょうろ)と言います。
ここは、焼酎二階堂のCMでロケされた場所なのです。


さて長部田海床路は、有明海のような遠浅の海では海岸まで船を着ける事は不可能なため、十分な水深が得られる場所まで干潟の上に道路を築き、船と陸地までの間を自動車で魚や物資を運搬するための道路です。
干満の差が大きく、満潮ならば海床路は使用できなくなるようです。
私が当地へ着いたのは16時すぎ。
この日の満潮は12時28分、干潮は18時37分。

海床路の手前にある漁港では、船が完全に着底していました。ひっくり返らないのかな?
16時すぎだと干潮になりつつある時間帯で、道路が海面よりも上にありましたものの、路面は濡れていたため、水が引いてから間もない頃だったのでしょう。
そんな訳で、歩いて行けるところまで行ってみました。

船が係留されているのが見えますが、しかし、これ以上歩く事はできません。
さらに潮が引くと道が現れるのでしょうか。
私のようなオッチョコチョイが、うっかり足を滑らせてもしも海に落ちたならばシャレになりませんから、早々と退散。
ここでは海苔の養殖でも行なっているのでしょうか。

道路の隣に海苔が地面一杯付着していました。
はるか沖合には、海苔養殖用の「ひび」と思しきものが多数見えます。
すぐ近くには住吉漁協海苔種苗センターというものもあるようです。
さて17時を過ぎると、いよいよ日没です。

海の向こうには雲仙が。
さらにここで待っていると、昼と夜の境目、いわゆるトワイライトのタイミング。

潮が満ちている時間帯に日没を迎えると、電柱の水銀灯の灯りが水面にゆらいで、幻想的な光景を目にする事ができるはずで、それを期待していたのですが、夕暮れが干潮ではそれは叶いません。

また、別の時期に、そのタイミングを狙ってここまで来ることにする事として、本日はこれで当地を後にしました。
このあと、三角線宇土新八代と移動し投宿。


【この日の行路】
自宅最寄駅→626近鉄大阪阿部野橋あべの橋(天王寺)635→(リムジンバス)→705頃大阪空港730→(ANA521)→845頃熊本空港855→(空港ライナー)→910肥後大津921→(427D)→936立野944→(9レ)→1015高森〜高森湧水トンネル公園〜高森1150→(12レ)→1217立野1258→(8062D・あそぼーい!102号)→1340熊本1408→(8033D・A列車で行こう3号)→1446三角1508→(538D)→1535住吉〜長部田海床路〜住吉1926→(546D)→1936宇土1949→(6357M)→2010新八代


(続)

*1:Aは天草のAで、本家本元の名曲A列車で行こうとは関係なし。

*2:私が乗車した3号は38分

*3:熊本−三角36.5km