阪堺・南海その1

2か月ぶりの鉄分吸収に行ってまいりました。
関西在住、しかも、日々の通勤で天王寺を経由しているくせに、乗っていそうであまり乗っていない阪堺電鉄、そして、南海電鉄で唯一未乗となっていた高師浜線でした。


まず阪堺から。
まったく乗っていない訳ではないのですが、何年ぶりかわからないぐらいに久々です。
天王寺駅前から上町線に乗車。

近年、再開発により大きく街のカラーが変貌しつつあるのですが、まさにそのド真ん中に電停があります。
約二十年、天王寺阿倍野を行き来しているのですが、その当時の天王寺とは大きく変わってきました。
言っちゃ悪いかも知れませんが泥臭いイメージだった天王寺が、再開発により若者や家族連れが楽しみやすいスポットがかなり増え、往時のイメージをいまだに引きずる私からすると、どうにも歯がゆく感じてしまうほど。*1


天王寺駅前から松虫の少し北側まで、あべの筋上に敷設された併用軌道を走行。
両側に商店街があり、自動車の通行量もかなり多いので、いかにも路面電車といった雰囲気を味わえます。
松虫以南は専用軌道があれば併用軌道もあり、「路面電車のようで路面電車でない(ベンベン)」な気分が楽しめます。


その後、軌道が急勾配を登り、南海高野線をオーバーパスしたすぐにある神ノ木電停で下車。
下車し地平へ下りますと、すぐそこには南海の住吉東駅があります。
で、こんなロケーションならば狙いたくなるんですよね。
阪堺電車南海電車がクロスする瞬間を。


南海が来ますが阪堺は来ない。

阪堺が来たと思ったら、南海が来ない。

泉北の車両が来たけれど、阪堺がこない…

阪堺が来たら、今度は南海が来ない……

こんな事の繰り返しばかりで、30分ほどこの場所でかじりついていたのですが、ついぞ同時に両方の車両を見る事ができませんでした。
ニアミスはしばしばあるのですが、ドンピシャリにならない。
どちらも本数が多いはずなのですが。
どうにも上手くいきませんね。
あきらめて浜寺公園行きに乗りました。


住吉電停で下車。

ここは上町線阪堺線の平面交差地点であって、レールがややこしく交錯していれば、電車線*2もややこしく交錯しています。
そんな箇所ゆえにお守りも大変なのでしょう。
線路が交差している箇所は最徐行して通過*3しますので、下車してしばらく眺めていたのですが見ていても飽きません。
少し南側へ歩きますと住吉鳥居前電停があり、まさに「住吉さん」への最寄駅です。

ここから住吉電停へ戻り、わずか200Mだけですが上町線の終点である住吉公園電停まで乗車。
平面交差を轟音をたてて過ぎ、左カーブ直後すぐに到着。

駅のホーム上にはなぜか金魚の入った水槽がありますね。
上から覗き込むと金魚がたくさん近寄ってきます。
エサをもらえると思っている様子。
しかし「水が汚れるのでエサをやらないで下さい。毎朝給餌しています」との旨の張り紙もありました。
駅舎は南海本線住吉大社駅の高架下にあるのですが、周囲の商店街に溶け込んでいて、路面電車の駅舎という感じに乏しいですね。うっかりすると見過ごしそうなほど。


ここで南海電車に乗換。
目指すは高師浜線です。
住吉大社から羽衣まで移動。
途中、住之江でサザンプレミアムを目撃。

堺市空港急行に乗り換え、羽衣に到着。


羽衣駅は高架化工事に伴い仮線に移動しており、いかにも工事中という様子。
下りホームから階段を上がって上りホームへ移動し、その南側に切欠ホームがあり、そこから高師浜行きが発着となっています。
車両は、南海の支線系統でお馴染みの2200系2両編成。*4

思いのほか乗車があり*5、羽衣を発車。
発車後すぐに右カーブしつつ高架に上がって行きます。
大変失礼ながら、高師浜線が高架化されているとは全く知りませんでした。
高架を上がりきった辺りに伽羅橋駅があり、その後左カーブすると高架のまま終点高師浜に到着。羽衣駅からわずか1.5km。

階段を降りると改札口があり、外へ出ると天井が高く、窓にステンドグラスがはめこまれた名物駅舎があります。

ステンドグラスには海の上を飛び交う海鳥が描かれ実にオシャレ。
海に近い駅だけあっていい雰囲気です。
かつては海水浴客で賑わったのでしょう。
このような掲示もありました。

しかし、駅の周囲は住宅街。かつては近かったであろう自然の海岸は埋め立てられて今は海水浴ができそうな雰囲気ではありません。*6


しかも、「えぇっ!?」と驚くようなこんな掲示までありました。

そんなに利用が減っているのですね。
とはいえ、高師浜線は本線の培養線でもあるはずなのですが、仮に高師浜駅を利用しなくとも本線の高石駅も羽衣駅もそれなりに近いために、そちらに利用客が流れてしまっているのかもしれませんね。
とにかく、廃止にならないように祈るばかりです。


「兵どもが夢の跡」になるかもしれないそんな高師浜駅を後にし、北上していきます。


(続)

*1:とはいえ、そんなオシャレな天王寺から1kmほど西へ行けば、いまだに「The ディープ大阪」な新世界があるんですけどね。

*2:電気を流している架線の事。架空電車線方式。決して複々線区間における緩行電車専用ルートの事にあらず

*3:それでも結構な轟音を立てて電車が通り過ぎます

*4:2Mの強力編成で、各運用線区における現在の使われ方を見ると、1M1Tで十分じゃないか、と思えますが何しろ生い立ちが高野線の大運転用の電車ですからね。

*5:とは言っても椅子が2〜3割埋まる程度

*6:これは浜寺公園駅も同様の事が言えます