渡道(3) 12月30日その3 スーパー白鳥19号、スーパー北斗15号と乗り継いで札幌へ

新青森スーパー白鳥19号に乗り継ぎます。
ホームに並んだ時点では、まだ入線していませんでした。
12時50分頃に入線してきました。
驚いた事に、青森駅方面(青森駅または青森信号場)から回送されてくるのだと思っていたら、逆方向の弘前方面から入線したのです。
理由をつらつらと考えますと、おそらくS白鳥26(新青森12時19分着)の折り返しなのでしょうが、理想は新青森のホームに止め置いてそのまま折り返しです。
しかし、1面2線しかない新青森駅に40分以上も置いておくと、列車本数(特に貨物列車)の多い奥羽本線のダイヤに不都合が生じるであろうから、おそらく、津軽新城駅まで逃がして、線路が3本ある内の、上下列車の通行の邪魔をしない線路1本を用いて、折り返し整備を行なっているのでしょう。
S白鳥19の発車までに、上りの普通列車と貨物列車がそれぞれ1本ずつ通行しましたし、臨時快速のリゾートあすなろ津軽2号の到着を待ってS白鳥19が発車しました。
やはり、当駅で40分以上も2本の線路の内の1本を占領するのはダイヤ面で苦しそうです。
また、青森駅または青森信号場への回送の場合、新青森で折り返し・エンド交換する手間が発生するので、方向を変えずに津軽新城までスルーさせているのでしょう。
このような回送は他の地域でも多用されていますね(博多発着列車の吉塚・南福岡への回送、北近畿サンダーバードの宮原への回送、しらさぎの熱田への回送など)。
新青森においても実施されているのを目の当たりにして、あらためて感心しました。


スーパー白鳥は、通常器には789系の6両編成ですが、多客期には2両の増結を実施しています。
私の乗車した19号も、年末年始とあって増結を実施していました。
しかも、増結車両を見て驚きました。
道央のスーパーカムイすずらんでお馴染みの785系改造車だったのです。
道央での運用では以前、編成の組み換えを行なった時に保留車が2両発生し、長年使用されないままだったのですが、これでは勿体ないという事で、東北新幹線新青森延長のダイヤ改正に合わせて785系が改造の上で青函輸送に転用されたのです。
道央ではシルバーベースの車体色だったところ、青函では黄緑色を配した色に変わり、大きく印象が変わりました。

(↑789系の基本編成)

(↑785系の増結車)

(↑789系(左)と785系(右)の連結部。形状がまるで異なります)


2号車の自由席に乗車します。
指定席が売り切れだったので、自由席も満員かと思いきや、座席は7〜8割ほどの埋まり具合でした。一部はデッキに立っていたようです。
発車時刻は13時03分ですが、少々遅れの白鳥26の到着を待って、3分遅れで新青森を発車。
案内放送では、3分遅れを前提にして蟹田木古内、函館の到着時刻を案内していました。
どうせ青函トンネル内で取り戻すだろうに。


新青森→青森は座席が後ろ向きで列車が走ります。
頭端駅タイプの青森駅で方向が変わるからです。
その青森では自由席の乗客のうち2〜3割は降りました。
が、同じように乗車があります。
それでも座席に少々の余裕を残したまま青森を発車しました。
今度は前向きの走行に変わります。
進行方向右側の座席ですから、津軽湾が望めます。

(↑向こうに見える陸地は下北半島です。北海道にあらず)


津軽線内は新油川信号場で貨物列車と交換、中沢で先行の普通を追い越し、蟹田でS白鳥30と交換。
単線の割になかなか密度の濃いダイヤとなっているようです。
津軽線蟹田までは津軽湾に沿って線路が敷設されており、結構直線に恵まれています。
しかし、交換可能駅では駅の前後に設置されている分岐器で速度制限がかかるからか、思いのほか頑張った走りではありません。80〜90km/hでしょうか。


木古内を発車し、しばらく走ると新中小国信号場を通過します。
津軽線からの分岐を低速で通過すると、津軽海峡線に入ります。
海峡線に入ると一気に速度を上げるのかと思ったら、なぜかしばらくは坦々と走行しています。
津軽今別駅を通過する辺りから勢いよく走りだしました。
正しい理由はわかりませんが、津軽線内に少々のダイヤ乱れがあった場合に、ここで取り戻せるようなダイヤとしているのでしょうか。
津軽今別を通過すると、短いトンネルが連続し、8つ目のトンネルで青函トンネルに入りました。
この先、木古内まで最高速度140km/hで走行するのかと思えば、14時すぎ、なぜか速度が低下し竜飛海底駅でなぜか停車しました。
時刻表を見てもレ(通過)のマークです。
そもそも、現在は新幹線工事のために、竜飛・吉岡の両海底駅の見学は中止となり(駅の見学施設が工事の資材置場に転用されている)、海底駅見学のための停車は全ての列車で中止となりました。
有り得るとすれば、工事関係者の乗降のための停車でしょうか。
何だかよくわからないのですが、予想外の停車のあと、14時05分頃、発車しました。


列車はさらにトンネルを最深部に向けて勾配を下り、14時15分頃、マイナス240Mの最深部を通過。
青・緑・青の照明がその目印として設置されています。
デジカメの動画でその瞬間を撮影しようとするも撮りそこないました。


竜飛海底で停車したから、吉岡海底駅も!?と半分期待したのですが、期待に反して通過しました。
吉岡海底を通過した後、車内放送で「8号車前側のドアが故障。木古内駅では手動でドアを開けて下さい」との事。
なぜ8号車の扉が走行中に故障したのでしょうか?
竜飛海底駅で作業員が乗り込んだものとして、ドアコックを使用して開閉したのでしょうか。
で、その際に何かトチって故障でも起きたのか。
8号車の前部ドアならば、その隣に乗務員用の扉がありますから、作業員が乗り込むとすれば、乗務員扉のほうが簡単です。
一体なんだったのでしょうか?


14時25分頃、トンネルを抜け北海道に入りました。
雪の量が津軽側よりも明らかに多いですね。

木古内に14時33分停車。
ここでもS白鳥34と交換します。
木古内発車後、放送があり「8号車のドア復旧」との事。
木古内で開閉操作する事により、直ったのでしょうか。


木古内から函館までの間も車窓右側に海を見ながらの走行です。
津軽側とは異なり、海岸線の際まで山がせまり、線路にカーブが多くスピードが上がりません。

函館湾の向こうに函館山が見えます。
車窓の右側に五稜郭機関区と赤色の貨物用EH500電気機関車が見えたらほどなく函館に到着しました。15時10分着。
青森−函館が2時間弱で走行で、速いですね。
かつての青函連絡船が3時間50分だったので、倍の速度になっています。


函館では、15時18分発のS北斗13に乗車のつもりでした。
が、S北斗13の自由席2両は、S白鳥の車内から見た段階で満席で立客もいます。
札幌まで座れるかどうかが危ぶまれたために(と言うか函館の段階では無理)、これは見送り次の列車にしました。



函館駅の外に出ます。
2005年3月に函館に来た時には、駅前は工事中でしたが、キレイに出来上がっていました。
また、コンコースにはコンブ新幹線なるものが展示されています。

東北新幹線新青森開業記念と、北海道新幹線の早期開業祈念ということで、松前の近く福島(千代の富士の出身地)のコンブで製作されたそうです。
が、新幹線というよりは、異星人の宇宙船のような雰囲気…
キオスクと土産物屋を眺め、駅弁と酒を買い込み、早めにS北斗15に乗り込みました。座れなければ大変だから。

だけど、自由席は5〜6割程度の乗車率で満席になりませんでした。それでも指定席は満席との事。
一本前の自由席の混雑は一体何だったのだろう?


16時28分、函館発車。
北海道の日の入りは16時過ぎであり、すでにうす暗くなってきています。
森駅までだと、明るければ車窓に大沼や駒ケ岳を楽しむ事ができるのですが、かなり暗いのでそれも叶いません。
勾配緩和のための藤城線に入った事だけは何とか分かりましたが…。
車窓が見えないので函館で買った駅弁と酒で時間を潰すしかありません。
時間はたっぷりありますから、時刻表とガイドブックを見ながら明日のプランを考えるもなかなかまとまりません(苦笑)


S北斗15は停車駅が4駅(東室蘭、苫小牧、南千歳、新札幌)だけで、他の北斗系統よりも停車駅が厳選されています。
北斗系統の中で最速達列車で3時間ちょうどで札幌まで走ります。
函館を発車すると東室蘭までの1時間46分が無停車。
途中に単線区間もありますから行き違いで停車するかと思っていたのですが、それもありません。
まるで東海道新幹線の東京−名古屋ののぞみ並です。
航空機対策ということで、かつてはさらに停車駅を絞り、3時間を切る列車も設定されていましたが、やりすぎて途中の乗客が拾えなかったのでしょう。
今は少し停車駅を増やした結果、最速達列車がS北斗15となっています。
S北斗13の自由席が混雑していたのも、S北斗15の自由席が意外と空いていたのも、S北斗15の停車駅が少なすぎるからかも知れません。
眠気と酒でボーっとしてきてウトウトしながら札幌に着きました。19時28分着。
札幌のJR系統のビジネスホテルに投宿。


ここまでの移動の疲れもありますが、せっかくの札幌です。
地下鉄でススキノに移動。
ゴムタイヤ式だからか、加速がかなり鋭いです。大阪の地下鉄よりもずっと高い加速。


ラーメン横丁に足を運びました。

駅弁でそれなりに腹がふくれているのですが、頑張って塩コーンバターラーメンを食べて満足。
ラーメン横丁にもアジア系の外国人が食べにきていました。
数年前に北海道に来た時も中国語を耳にしましたが(十勝の幸福駅跡地や、網走の流氷船で。)、日本人でも北海道は人気の地ですが、外国人も同様なのでしょうね。

【以下続く】