渡道(2) 12月30日その2 東北新幹線 八戸−新青森乗車

新幹線ホームに上がります。
今回、はやて19号に乗車したのですが、指定券の購入に難儀しました。
JRサイバーステーションによる空席情報を調べていたところ、はやて19はもちろん、前後のはやて仙台−新青森は全て指定席が満席で、仙台−盛岡−新青森区間分割し、やまびこ53&はやて73で指定席を確保したのです。
(指定席が売り切れの場合は「特定特急券」で立席扱いで乗車も可能ですが、座りたかったのでそれはパス)
しかし、この列車だと新青森での函館行き白鳥との接続がイマイチなので不満足だったのです。
なので、その後も空席情報を調べていたところ、はやて19を仙台−盛岡−新青森区間分割すると、指定席の確保が可能であることが判明しましたので、やまびこ19&はやて73の指定券をはやて19に変更しました。
盛岡で座席を移動しなければならなかったのですが、いずれの区間も窓側の席が運よく確保できました。
仙台駅のホーム上にはかなりの旅客がいます。
指定券が確保できなかったと思しき乗客は自由席のあるやまびこの乗車口にかなり並んでいるいっぽう、全席指定席のはやてに乗車する人は並んではいませんが、それでも結構な人数です。
はやてだと仙台で降りた人数分だけ乗車があるのでしょう。

(↑はやてと同型車両のやまびこ19号。これにもかなりの人数が乗車しました)


はやて19の3号車6Eに乗車しました。
ざっと車内を見まわすとさすがは帰省客で満杯で、100%座席が埋まっています。
10時38分、仙台発車。
みるみる加速します。
はやて19は275km/hで走る上に仙台−盛岡間は無停車ですからスピード感たっぷりです。
車窓を見ていても、沿線が商工業地帯で工場などがたくさん見える東海道新幹線とは異なり、駅間では農村地帯が広がっています。
11時38分、盛岡到着。
さすが盛岡。かなり下車します。
ここで席を移動します。指定席は4号車16A。
進行方向右側に移りました。


盛岡11時26分発車。
盛岡発車後、しばらく車窓の上側に見える架線に注目します。
しばらくは水平に上中下3本の線が吊られているコンパウンドカテナリ方式ですが、上下2本ほどなくシンプルカテナリ方式に変わりました。
架線を吊る可動ブラケットも形状がスマートな形状のものに変わりました。
変わった個所からが2002年に新規開業した八戸延伸時の建設部分となります。
はやて19は盛岡以北は各駅停車のダイヤ。
盛岡までの疾走とは異なり、盛岡以北は、少し走っては停車なので、どうにもスピード感に乏しい。
さらに、盛岡以北の最高速度は260km/hとなっていて、どうにも性能を持て余したような走行でした。
本当に260km/h出していたのでしょうか。
架線の吊架方式も、盛岡以南のコンパウンドカテナリ方式から盛岡以北はシンプルカテナリ方式と変わっており、260km/h走行を前提とした構造になっています。
整備新幹線におけるシンプルカテナリ方式でも、トロリ線を太くして、架線の張力を上げると260km/hの運転も可能だとかいう話もあるらしいのですが、現状では鉄道運輸機構が設備一式を最高260km/hで作ってしまいましたから仕方ありませんね。
今後必要に迫られたら(北海道延伸など)、高速運転が可能なように改造されるでしょう。


八戸に到着しました。
これが意外とたくさんの下車がありました。
新幹線が青森まで延びたので、八戸は通過駅となり下車客の人数は少ないだろうとタカをくくっていたのですが、裏腹にたくさん降りましたので、八戸のニーズの多さに驚きました。
なので、車内の乗車率も少し余裕が出来て6〜7割の埋まり具合です。


八戸の次は七戸十和田
駅の周囲は何も建っていません。
長野新幹線の開業直後の安中榛名と同じですね。
これからの開発となるでしょうが、首都圏に近くその後開発の進んだ安中榛名と異なり、本州最果てのこの駅ではどのように開発が進むでしょうか。



七戸十和田新青森間には八甲田トンネルがあります。
その延長は26455Mもあり、七戸十和田新青森間の45キロの半分以上を占める長大なトンネルです。
これ以外にもいわて沼宮内−二戸間にも25810Mの岩手一戸トンネルがあり、八戸以北はトンネルが6割以上と、さながら地下鉄新幹線の様相を示しています。
山陽新幹線もトンネルが多く岡山以西では5割がトンネル区間ですが、海岸部に近いエリアを通っているからか、明かり区間とトンネル区間がめまぐるしく入れ替わります。
そのいっぽう盛岡以北は山間部を長大トンネルをぶち抜いており、様相が大きく異なりますね。


新青森到着寸前に三内丸山遺跡が新幹線から見えるそうですが、私はよくわかりませんでした。
12時33分、新青森駅14番線に到着。
もう少しじっくりと観察したかったのですが、乗り継ぐスーパー白鳥の指定券が満席で確保できず自由席のため、急いで在来線ホームに移動します。
ゆえに新幹線ホームの観察が全くできなかったのが残念でした。
急いでいた割には駅弁だけは改札口近くのキオスクでしっかり買い込みましたが(笑)
新幹線ホーム中ほどの階段を降り、180度ターンすると中間改札口があります。
自動改札機が数台設置されていますが、新幹線の改札機には乗車券と特急券の2枚を同時に投入しなければならないのに、それを知らない人がうまく投入できずに改札機が通せんぼしてまごついてしまう人が何人もいました。
特に新幹線に乗りなれていない年配の人などに多く見られる事象で、当地に限らず、東海道山陽新幹線でも同様によく発生していますね。
駅員が2枚同時に投入の旨を声を張り上げていますが、この現象は解消されません。
新幹線用改札機の欠点でしょう。


中間改札口をまっすぐ行くと突き当たりで左に曲がると階段と改札口、右に曲がるとエスカレータ。
階段もしくはエスカレータを降りると在来線のホームにたどり着きます。
しかし、在来線ホームがあまり幅が広くありません。
スーパー白鳥の自由席への列が長くなり、ホーム上の往来を邪魔するようになりましたので、駅員が列をホーム長手方向に曲げて往来を確保しています。
私がこれまで新幹線・在来線の乗換駅を観察してきた中ではかなり簡素な部類に入るのではないでしょうか。
(もっと簡素なのは新花巻、佐久平など。公認ではありませんが一番貧相なのは新岩国と連絡している錦川鉄道御庄でしょう)
在来線特急列車との乗換もある駅の割に貧弱なのは、仮に幅広なホームを設置してもあと十年以内に北海道新幹線が開通するとこの駅での乗換も減少し(残る乗換は青森駅方面と弘前・大館・秋田方面のみ)、結果的に過大設備になるから、少々手狭でも我慢しようとの方針なのでしょう。

(↑まだ列が延びていない内に撮影したので人影はまばらです)

(↑画像右斜め前の建物が新幹線ホーム)


新青森−青森の往来についても少々疑問が残ります。
はやて19とスーパー白鳥19の接続時間はちょうど30分。
他の接続例では最短で8分ですが、おおむね10〜26分を要しています。
下りより上りのほうが接続が良さそう。
19号どうしの接続の場合、接続に30分もかかるのであれば、青森駅が最終目的地の乗客であれば、不便極まりないですから、待ち合わせ時間が長いところでは区間列車を設定すべきでしょう。
実際、スーパー白鳥19号には新青森で降りた乗客もかなり乗っていました。
新青森−青森間は自由席の場合特急に乗車しても特急券不要の特例があり、利用者の視線にたって考慮されていますので、ダイヤ面でももう少し考慮がほしいところです。


【以下続く】