来春のダイヤ改正 ①九州新幹線全通

2011年3月ダイヤ改正の概要が発表されました。


私が興味を覚えた点は…
ダイヤ改正の目玉は九州新幹線の全通と、これに伴う山陽新幹線九州新幹線の直通開始。
②九州島内における、在来線列車の再編。
アーバンネットワーク内におけるダイヤパターンの変更。
こうのとり新車置き換えに伴う車両の転配。


まず①から。
(A)朝夕にみずほ4往復の設定。
山陽区間はのぞみ並みのダイヤで新大阪〜博多2h25m、博多〜鹿児島中央1h19m、新大阪〜熊本2h59m、新大阪〜鹿児島中央3h45m。
おそらくスジを目一杯に立てているのでしょう。既報の通り飛行機を意識したダイヤですね。

(↑私の持っているN700系7000番台の画像はこれしかありません)


(B)山陽直通さくら11往復の設定。
詳しい時刻がわかりませんが、新大阪〜鹿児島中央を最速4h10mとなっていますね。
これまでの報道などでは「4時間」と伝えられていましたから、思っていたよりも遅い、との印象です。
山陽区間内で、停車駅の多いひかりレールスターのスジを転用したと思われるのと、九州島内の停車駅で「オラが駅に停めろ」との綱引きがあったらしく、その結果の所要時間なのでしょう。
特に、停車駅が近接していて綱引きの激しかった新鳥栖と久留米。
山陽直通さくらの新鳥栖・久留米の停車本数は新鳥栖が上下7本と久留米が上下12本。
本州からの旅客における長崎線佐世保線との乗り換えは新鳥栖よりも博多での乗換えが望ましい様子ですね。
久留米は市の人口が30万人あり(鳥栖は6〜7万人)、市の規模からしても久留米に多く停めた様子。
筑後船小屋新大牟田新玉名はそれぞれ上下3〜4本の停車。
新大牟田はもう少し多いかな?と思っていたので意外でした。
熊本以南は選択停車でなく、川内は全てが停車ですが、新八代新水俣・出水はほとんどが通過で、各駅停車タイプが上下3本のみ。


山陽直通さくらのイレギュラーとして、新下関鹿児島中央間のさくら2往復。
下記の(C-1)を新下関まで延長運転した格好となります。
JR西のプレス発表の文面には…
「朝の時間帯に新下関鹿児島中央間を直通する「さくら」を2往復設定します。これにより、山口・北九州地区から博多・熊本・鹿児島間の通勤や行楽が大変便利になります。」との事。
通勤云々と謳う割には、上り新下関着が921と1008、下り新下関発の時刻が1032と1128と中途半端な時刻。強いて言うなら上り列車で小倉エリアをターゲットにしているのでしょうか?
推測するに真相は、博多駅に発着列車が輻輳して番線が不足するが故に、折り返し列車が設定しやすい新下関まで逃がしているのではなかろうか、と考えられます。
小倉駅上り副本線の14番線でも折り返しは可能なのですが、ダイヤ混乱時には上り列車とかち合う可能性があるから、時間がかかる折り返し整備をしても邪魔にならない新下関発着としたのではないでしょうか。(引上げ線及び1番線を使えば邪魔にならない)


(C-1)九州島内さくら
博多〜鹿児島中央に約1時間毎の設定。
博多〜熊本間は新鳥栖と久留米のいずれかに停車し、熊本以南は各駅停車。
(いわば、大都市近郊の区間急行(南海・近鉄)や区間快速(阪和線片町線)のようなタイプですね)
熊本駅で下記(D)つばめと半緩急接続を行なうかと思います。


(C-2)九州島内さくら
博多〜熊本間に約1時間毎の設定。
新鳥栖と久留米の両方に停車し、それ以外は通過。


(D)九州島内つばめ
大半が博多〜熊本間を各駅停車。約1時間毎の設定。
イレギュラーとして熊本〜鹿児島中央、川内〜鹿児島中央区間運転も少々あり(上下5本)。
もうひとつのイレギュラーとして博多〜筑後船小屋間のつばめ1往復。
おそらく、上りが早朝の始発、下りが深夜の最終を設定すると思います。
2面3線の配線なので、折り返しが可能なのでしょう。

(↑2004年3月、開業まもない鹿児島中央にて。つばめのレタリングは消されるそうですね)


山陽のぞみ・ひかり・こだまと九州さくら・つばめの連絡も考慮されるようです。
同一ホーム対面乗換が可能なように考慮されるものと思いますが、発着列車の輻輳する博多駅ですから一部には階段で別のホームに移動もあるでしょう。
J西のプレス発表には昼間帯・深夜帯の乗り継ぎ例が発表されていますが、対面乗換、別ホーム乗換の両方があるようです。


山陽では100系がいよいよ廃止カウントダウンのようです。

来春の改正で4両こだまが廃止との事。
ひかりレールスターがさくらに置き換わりますから、レールスター用700系をこだまに転用して100系を潰すことになります。
平成23年度中にはすべての100系が廃車との事です。
蛇足ですが、数ある新幹線形式の中でも、シャープな先頭形状、一部車両の2階建て、食堂車、コンビニ形式のカフェテリア、個室グリーン、2階建車両の1階普通席2+2列など、さまざまな個性を開花させた(そしてしぼんでいった)形式で、接客面における没個性化がはなはだしい近年の形式の事を思うと、たいへん好きな車両でした。
接客面の進展とはうらはらに、ハード面が結果的に時代遅れとなり、花形の東海道から早々と追い出されたのが残念でしたね。
100系グランドひかりの2階建食堂車で食べた食事の素晴らしさはいまだに忘れられません。
(個室グリーンも大枚はたいて乗車しましたが、こちらはさほど感激しませんでした)
新山口〜小倉〜博多のこだまの本数が見直しされるそうですが、こだま700系化で編成両数が増えるが故に列車本数が減らされて輸送力の調整を図るのでしょうか。


ひかりレールスターは全廃かと思っていたのですが(そのように報道されていた)、意外なことに残るようです。

毎時1〜2本運転しているうちの1本はみずほ・さくらに置き換えて、とりあえず残りの0〜1本はそのまま存続のようです。
しかし、700系はこだまに転用の方向性ですから少しづつ転用していき、それでも転用しきれなかった編成はとりあえずこだまとレールスターで共通運用しつつ、ゆくゆくはレールスターN700系に置き換えていくものと思います。(フルムーン客のグリーン車利用も考慮しなければなりませんしね)
そして、こだまが全て500系・700系に置き換わったら、2012年の改正でこだまのスジを立てる事ができるでしょうね。