わたらせ渓谷鉄道 通洞→間藤

再び通洞駅に戻ってきました。
通洞駅は列車行き違いができない本線が棒線タイプの駅なのですが、駅舎はなかなか立派なものが建っています。
足尾の観光の窓口的な役割を果たしているからでしょうか。

ほどなく、下り列車が到着です。
この列車からもたくさんの乗客が降ります。
乗り込み発車すると、そんなに時間がかからずに足尾駅に到着。
構内にはトロッコ列車も見え、まずまず賑わっています
しかし私は気にせず間藤まで乗りとおします。
足尾から間藤まで2〜3分ほど。
足尾をユルユルと発進し、そんなに時間もかからずに終点間藤駅に着きました。

かつてはこの先に足尾本山貨物駅があり、また間藤駅ホームの端のすぐ近くには勾配表26.7‰が建植されています。
いかにも線路は先に続いているかのようですが、50Mほど先でススキに埋もれてしまっています。
このような光景を各地で見る度に「もうひと駅、列車が走る事ができたら…」との切なく複雑な気持ちになりますね。

間藤(に限らず周囲一帯)は銅精錬工場の出す亜硫酸ガスの公害がひどかったとの事で、駅の目の前にある山肌が、緑が少なくハゲています。
現在、緑化を進めているそうですが、一度ハゲてしまって土砂が流出してしまい、ゴツゴツした岩肌がむき出しとなった個所が多く、まずは土を入れて定着させ、そして緑化を進めるという地道な作業を続けているそうですが「足尾の緑化は100年かかる」と言われているそうで、地元の人たちの緑化への努力には頭が下がる思いです。

間藤駅といえば、故・宮脇俊三氏が国鉄全線完乗を達成した駅としても有名です。
完乗に至るまでの過程を綴った、真剣だけどもアホらしい模様は「時刻表2万キロ」として出版されています。
かくの如き背景を持っている駅ですので、間藤駅の駅舎内に、この旨の紹介がなされ、氏の自筆原稿までもが掲示されています。
熱烈な宮脇ファンたる私は、この間藤駅に来る事がある種の目的のひとつでもあり、今回念願叶って少し嬉しい思いです。