トンネル駅その4 美佐島駅

水上→六日町と乗り継いで美佐島駅に来ました。
北越急行ほくほく線のトンネル駅です。
朝に一度通り過ぎているのですが、ほくほく線に戻ってきました。

この駅は約10kmの赤倉トンネルの中に設置されています。
赤倉トンネルの十日町側入り口から約2kmのところにあります。
このトンネル内には、行き違いのための信号場もあり、他のトンネルとは一味違うトンネルなようです。

さて、六日町から乗った電車を降りると電車が出ていきます。電車が遠ざかっていくとともに風が吹きだし、徐々に強くなります。
いうなれば、注射器の中にあるピストンの役割を電車が果たしている訳ですね。


まず、ホームが短いです。
当該区間普通列車は1〜2両ばかりで、長編成の特急「はくたか」の停車は考慮されていないのでしょう。
そして、ホームと待合室の間に自動ドアがあります。
特に、特急は最高160km/hで走行しますので、駅に近づいてくる時と、通過した後の風がすごいそうですね。それこそ、台風なみとか。
なので、自動ドアを設置して安全を確保しているそうです。
しかもこの自動ドアは、列車が停車するまで開かない構造になっています。
さらに、気密構造になっているようで、スキマなくぴったりと閉まるようです。

どうせなら160キロの特急が来る時にどうなるかを体験してみないと、美佐島駅まで来た意味はありません。
しかし、ホームに出て待つと猛風で大変危険ですし、ホームは監視カメラで見張られているそうで、いつまでもホームに居残っていたら放送で警告されるそうです。
それでも居残ってたら、おそらく列車を徐行か抑止させるのではないかと予想します。
そんな事をしてしまうと、それこそ…
「鉄道マニアが奇行! 特急を止める!!」
このような見出しで新聞の三面記事の格好のネタになりかねないので、自動ドアの待合室側で待機します。

特急が近づいてきますと、ヒューと甲高い音が、それもかなりの音量で響いてきます。
どうやら、気密構造の自動ドアのどこかにスキマができているものだと思います。
なので、待合室も風が舞ってます。
そして特急通過の直前には「まもなく電車が高速で通過します。大変危険です。ホームには絶対に出ないで下さい」と放送があります。
「絶対に!」と言われても、自動ドアはロックされているから出られないんですが…
すると、その直後、特急が通過しました。
すごい轟音です。
電車が通過するときの轟音と猛風の轟音が相まって、耳をふさがなければたまらない程の轟音です。
(↓この画像が、通過する瞬間。動画で撮影していて切り抜きました。)

いやはや凄かったです。
かくのごとき特急の通過をを上下各1本ずつ体験しました。
扉で安全を確保されていてもこんな雰囲気ですから、もしもホームにいればどんな事になっていたのでしょうか…
筒石駅も特急や貨物が高速で通過しますが、扉はロックされておらずいつでも開け閉めできます。
複線断面のトンネルなので、美佐島ほどに凄い事にはならないのでしょうか…

せっかくですから地上にも上がります。
階段はそれほど長くなく、ビルで言うところの1Fから3Fまでの移動程度でしょうか。
大都市の地下鉄のほうがよっぽど昇り降りがあります。
階段を上がると、駅舎を地域の公民館としても使っているのでしょうか。
畳敷きの部屋があります。
また、天井に大凧を飾り、通路には地域の写真などを掲示してあります。

駅舎を出ますと周囲はのどかな山里の風景です。
道路をはさんだ向こう側の田んぼでは、農家の方がちょうど刈り入れ中でした。
知らなければ、こんな所に駅があるとは誰も気づかないでしょう。